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遂にレイズの若手有望二刀流選手がMLB初昇格! 29日のレンジャーズ戦でMLBデビューへ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB初昇格が決まったブレンダン・マッケイ選手(マイナーリーグ公式サイトより)

【レイズが有望若手選手のMLB初昇格を発表】

 レイズは27日、23歳の若手有望選手のブレンダン・マッケイ選手をMLB初昇格させ、29日のレイズ戦で先発させることを明らかにした。

 マッケイ選手は2017年ドラフトでレイズから全体の4位指名を受けた選手で、今シーズンはチーム内の若手有望選手ランキングで2位に入っていた。また彼はプロ入りしてからも、投手と野手の二刀流での出場を続けていることで知られており、遂に大谷翔平選手に続く、本格的な二刀流選手がMLBに誕生することになりそうだ。

【マイナーで先発投手&指名打者&一塁手で出場】

 左投げ左打ちのマッケイ選手は大谷翔平選手と同じように、先発投手を務めながら登板の合間に野手として出場するパターンを続けてきた。ただ大谷選手は指名打者のみだが、彼は一塁手としても出場経験を有している。

 中でも今シーズンのマッケイ選手は投手としての成長が著しく、わずか2年のマイナー生活でMLBの切符を掴むことができたのだ。

 今シーズンのここまでの成績を振り返ると、2Aでシーズンを開幕し8試合(うち7試合先発)の登板で3勝0敗、防御率1.30、WHIP0.82──と抜群の成績を残し、満を持して5月26日に3Aに昇格している。

さらに3Aに上がっても安定した投球は変わらず、5試合(うち4試合先発)に登板し、3勝0敗、防御率1.08、WHIP0.76──と、2Aを上回る成績を残していた。

【打者としてはまだまだ未完成】

 ただその一方で、打者としてはまだまだ改善の余地がありそうだ。

 今シーズンは2A、3Aともに指名打者としてのみで計38試合に出場し、打率.205、4本塁打、18打点、OPS.313──に留まっており、現在の打撃レベルのままで、彼が打者としてMLBで通用するのかは疑問が残るところだ。現時点では二刀流というよりも、投手のみの起用に偏る可能性が高そうだ。

 だが3A昇格後以降のみの成績を見ると、15試合の出場で打率.265、4本塁打、11打点、OPS.551──と、確実に上向いている。今シーズンから3AではMLBと同じ公式球が使用されていることからも、今後に期待が持てそうだ。場面によっては、左の代打としての起用もあるかもしれない。

【当面の目標はMLB定着】

 マッケイ選手の当面の目標は、まずMLBに定着することだ。そのためにもMLBデビューを飾るレンジャーズ戦の投球内容は、かなり重要になってくる。

 もし首脳陣から評価され、そのまま先発ローテーションに残れるようなことになれば、打撃練習を続けながら打者としての出場機会も与えられるようになってくるだろう。

 いずれにせよ、マッケイ選手はMLBのマイナー組織で育成され、MLBまで到達した初めての二刀流選手だ。やはり彼の行く末に注目したいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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