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ウクライナ軍、ロシア軍の12個レンズ搭載のレアな監視ドローン「Kartograf」久しぶりに撃破

佐藤仁学術研究員・著述家
「Kartograf」(ウクライナ軍提供)

昨年9月に撃破されて以来か?

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ロシア軍は主にロシア製の偵察ドローン「Orlan-10」で上空からウクライナの監視・偵察を行っている。たまに「Eleron-3」や「ZALA 421-16Е2」、「Orlan-30」でも偵察を行っている。2022年11月に入ってからは「Granat-4」、「Korsar(Корсар)」「Supercam S150」というロシア製の偵察ドローンも破壊されていた。またロシア軍は、ロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」や「ZALA KYB」、イラン政府から提供された攻撃ドローン「シャハド136」で攻撃を行っている。

そして2023年3月にはロシア製の12個のレンズを搭載している監視ドローン「Kartograf」を撃破している写真を公開していた。「Kartograf」は他のドローンと比べて、さらに利用頻度は低く、前回破壊された写真が公開されたのは2022年9月である。あまりにもレアな「Kartograf」が撃破されたことからウクライナの地元のメディアも報じていた。

イラン製軍事ドローン「シャハド136」、ロシア製監視ドローン「Orlan-10」が撃破された残骸の写真はよく公開されているので頻繁に見かける。「Kartograf」が破壊された写真を見かけることはほとんどない。

ロシア軍は以前は監視ドローンはもっぱら「Orlan-10」だったが、最近ではこのように他の機種も使用している。そろそろロシア軍の監視ドローン「Orlan-10」の在庫が枯渇してきたのかもしれない。

▼撃破されたロシア軍の監視ドローン「Kartograf」(2023年3月)

▼撃破されたロシア軍の監視ドローン「Kartograf」(2022年9月)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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