生成AIの急速な普及と電力需要への影響 #専門家のまとめ
本稿では、生成AIの電力消費や、政策による対応、商業への影響の一部についての記事をピックアップ。脱炭素社会が叫ばれるなかでの、生成AIが電力消費に与える影響や電力各社への波及についてご紹介します。
ココがポイント
▼生成AIの学習や推論により、電力消費増が見込まれる。省エネ型AI活用、半導体技術開発により電力制約の超克を提言。
・【提言】生成AIの普及が与える日本の電力需要への影響 「適材適所」のAI活用と半導体技術開発の組み合わせで電力制約を克服 (三菱総合研究所)
▼生成AIの急速な普及に伴い、大量に電力を消費するデータセンター建設が相次ぐ。政府は電力供給網の拡充を後押し。
・生成AI“急速普及”電力需要が増加?どうなる今後のエネルギー(NHK)
▼生成AIの活用が進むことでさまざまな影響を受ける電力産業。電力各社の株価は上昇傾向にある。
・【電力株に生成AIのインパクト】北海道電力は年初来2倍超、九州電力7割高…電力需要拡大や半導体工場建設が追い風に エヌビディア株だけじゃない“生成AI祭り” (JBpress)
▼急増する情報処理のニーズに応じ、千葉県印西市にはデータセンターが集積。超高圧変電所の新設など電力各社も即応。
・電力食い「データセンター」のために超高圧変電所まで出現 Amazon、Google…「印西市」に次々建つ理由(東京新聞)
エキスパートの補足・見解
政府は温室効果ガスの排出をなくす「2050年カーボンニュートラル宣言」を2020年から掲げています。2024年度に予定される「第7次エネルギー基本計画」の策定に向け、日本のエネルギー需給バランスや電源構成の検証が進む中、生成AIをはじめとするIT分野での電力消費の影響があらためて注目されています。
国による電力供給拡充への助成策もあり、エネルギー産業では電力需要増加への期待が高まっています。一方、脱炭素社会の実現に資する、持続可能で高効率の発電技術の開発、老朽施設の存廃の再検討など、省エネの観点からの果断な取り組みが一段と求められています。