Yahoo!ニュース

パッキャオの次戦は、7月2日

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
オーストラリアのリングに上がるPacman(写真:ロイター/アフロ)

ボブ・アラムプロモーターが、マニー・パッキャオの68戦目を発表した。

7月2日、WBOウエルター級タイトルマッチとして、同2位のジェフ・ホーンと対峙する。会場は、オーストラリア、ブリスベーンのサンコープ・スタディアム。同会場は、5万5000人を収容できる。

アラムはテキサス州ダラスのカウボーイズ・スタディアムで興業を打ちたかったようだが、実現しなかった。この会場は2010年にNBAオールスターゲームが催され、10万人以上の観客を呼び込んでいる。

いくらパッキャオでも、ホーンが相手では、それほどの盛り上がりは見られない。そこで、ホーンの地元で開催することとなったのだ。

1992年3月1日、オーストラリアの人気選手、ジェフ・フェネックが、ブリスベーンの他会場でアズマー・ネルソンの持つWBCスーパーフェザー級タイトルに挑んだ際、3万7000人を集客した。これは、オーストラリアで行われたボクシング興業で、最大の数字である。アラムは今回、その記録を塗り替えると豪語する。

とはいえ、92年のネルソンとフェネックの試合はリターンマッチであった。しかも第一戦は、25戦全勝だったフェネックがネルソンに挑み、一進一退の攻防を繰り広げたうえで、引き分けとなっている。最終ラウンド、フェネックはチャンピオンのネルソンをダウン寸前に追い込んだ。

その再戦がフェネックの祖国で行われるのなら、ヒートアップするのは当然だった。第2戦でネルソンは万全のコンディションに仕上げ、フェネックを一蹴した。

パッキャオの闘志は、他の現役チャンピオンとは比較にならないほど秀でたものだ。しかし、16勝1引き分けのホーンに、パックマンの相手が務まるとは思えない。

さて、パッキャオはオーストラリアのファンに、何を見せるのか?

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事