【京都市左京区】やんごとなき人々の隠棲の地大原の里でアジサイが見ごろ 三千院では1000株の饗宴!
「京都 大原 三千院 恋につかれた 女がひとり……」と唄われる「女ひとり」は、永六輔作詞、いずみたく作曲の京都のご当地ソング。1965年(昭和40年)にリリースされ、デューク・エイセスが歌いました。その後も石川さゆり、川中美幸、テレサ・テン、一青窈(ひとと よう)など、数多くの女性歌手にカバーされている名曲ですね。
そんな大原の里を2023年6月21日に訪れました。左京区とは言いながら、かなりの山奥となりますが、四条河原町から京都バスの17番大原行に乗車し、乗り換えなしの約50分ほどで行けてしまいます。バス停を降りて参道に入るとすぐ、すでに満開の山あじさいたちが出迎えてくれました。
仏教音楽の「声明」の聖地にちなんで名づけられた「呂川」と「律川」沿いにもところどころであじさいを見ることができました。ちなみに、お経に旋律や抑揚をつけて唱えることを「声明(しょうみょう)」と言い、呂と律と呼ばれる音階があります。「呂律(ろれつ)が回らない」の語源は、その声明で、呂と律の調子が外れることからきています。
大原三千院を参詣しました。三千院は天台宗京都五ヶ室門跡の一つとされる格式の高い寺院です。門跡寺院というのは、門主(住職)が皇室或いは摂関家によって受け継がれてきた寺院のことをいいます。堂内に丈六の本尊阿弥陀如来座像が鎮座する往生極楽院は、藤原時代の阿弥陀堂建築として知られます。脇侍の観音、勢至菩薩はともに膝を屈して阿弥陀如来来迎の姿を現す珍しい姿です。
あじさい苑にあるあじさいは約1000株。小あじさいに始まり、希少な星あじさい(七段花)が咲き始め、山あじさいに額あじさいと順番に花開き、可憐な紫陽花たちはそびえ立つ杉木立をぬって、美しく咲き誇ります。この日すでに満開でした。
なかにはハート形のあじさいもいくつかありますので探してみてください。三千院では、2023年7月9日(日)まで「三千院あじさい祭」が開催されています。
バス停へ向かう下りの参道では、「呂川茶屋」で、名物の大きな炭火焼だんごを自家製のゆず味噌をかけていただきました。うちの畑の無農薬「ゆず」を使用した「ゆずジュース」も美味しかったです。
昔と変わらぬ田園風景が続く風情を感じに大原の里へと出かけてみませんか!
天台宗京都大原三千院(外部リンク)京都市左京区大原来迎院町540 075-744-2531