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サンウルブズの堀江翔太キャプテン、チーム史上初の遠征で「風邪ひくな」のススメ【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
グラウンドではまさにポジション不詳。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

世界最高クラスのリーグ戦であるスーパーラグビーに加盟する日本のサンウルブズは、3月12日、シンガポール・ナショナルスタジアムでチーターズとの第3節をおこなう。チーム初の遠征に向け、フッカーの堀江翔太キャプテンは「ただいい試合をするために集まったわけではない」と意気込む。試合がなかった第2節を経て、今季2戦目でクラブ創設1勝目を目指す。

この国で最初のスーパーラグビークラブであるサンウルブズは、他チームより約2か月は短い約4週間の準備で2月27日の初戦を迎えた。東京・秩父宮ラグビー場で昨季15チーム中8位のライオンズを迎えたが、13―26という善戦で多くのファンを一安心させていた。昨季13位のチーターズは、開幕2連敗中である。

昨秋のワールドカップイングランド大会で日本代表の副キャプテンとして南アフリカ代表を破った堀江キャプテンは、9日の練習後、共同取材に応じた。初戦で苦しんだスクラム(堀江は最前列中央で組む)の修正ぶりやスーパーラグビー序盤戦の所感などを語った。2013、14年はレベルズの一員としてこの舞台を経験している。

以下、共同取材時の一問一答(一部編集)。

(代表質問)

――ここまでの準備は。

「まぁ、前の試合でスクラムやアタックのシェイプ(陣形)の修正点がわかったので、次はステップアップした姿を見せられたらと」

――スクラムの修正について。

「前に行こうが、横に行こうが、しっかりと押せるポジション(体勢)にいようという感じ。前の試合では、ちょっと(スクラムの内部で)足が伸びきっていたりと、押せるポジションにいなかったところもあったので。もう一度、やり直しました」

――連携は強化されたか。

「連携は取れてきてると思いますよ。あとは、これが試合でできるかどうかです」

――チーターズについて。

「ライオンズとよく似たチーム。大きくは変わらないかなと。僕らのボールを動かすラグビーもしたいと思うし、ディフェンスも前回以上にレベルを上げたらいい。チーターズ戦に対し、何かを変えたということはないですね」

――初の遠征。

「楽しみですよ。グラウンドをしっかり見て、観に来てくれた人が楽しめるような試合をしたい」

――初勝利への意気込みは。

「いい試合をするためだけに集まったメンバーじゃない。1戦、1戦、勝ちを目指す」

(自由質問)

――低いスクラム、低いタックル。継続されますか。

「もちろんですよ。ライオンズ戦でやったことは次もやっていきます」

――ライオンズ戦のスクラムは序盤こそ苦戦も、中盤に修正。

「1本目は悪かった。2本目はマイボールか相手ボールかを僕が勘違いしてしまっていた。僕のなかでは、その最初の2本だけがプレッシャーをかけられた。それ以外はよかったかな、と。(どう修正したかについては)本当は1人ひとり、真っ直ぐ(相手と)組みにいきたいですけど、垣永(真之介、右プロップ)のところにプレッシャーがかかっていたので、そっちにヘルプしたって感じです。(個別の選手が圧力を受けたことを責めるより)それをどうヘルプできるかが大事」

――(当方質問)攻撃の修正とは。

「シェイプですよね。速くポジショニングについて、しっかり仕掛けると。(球を離す)タイミングなど、細かい部分を修正しました」

――先週末は試合がなかった。コンディションは。

「プロなんで、これでコンディショニングが悪くなるということはないと思いますよ」

――今週末は気温30度のもとで試合をしますが。

「(選手には)風邪をひかないように注意をして欲しいとは思います」

――当日のピッチコンディションの情報は。

「全然、入ってこないです。まぁ、秩父宮よりはいいかだろうと!」

――天然芝と人工芝が混ざったハイブリット芝が敷かれています。

「ワールドカップ(4試合中2試合がハイブリット芝)でも経験しています。(アジア圏での開催だが)ホームだとは思っていない。アドバンテージ、ないんじゃないですか。(シンガポールは)初めてですし」

――スーパーラグビー経験者として、遠征には慣れているか。

「特別な感じは、僕は思わないです」

――次戦、スクラムハーフの先発は日和佐篤選手から茂野海人選手に代わる可能性もありますが。

「どうなるかわからないですけど、彼がやりたいようにやって欲しい。いい経験になると思います。これで通用するかしないかがわかる。グラウンドに出たら、最大限のサポートはします」

――(当方質問)堀江さん自身のコンディションはいかがですか。

「あぁ…。ぼちぼちですよ。まぁ、いいと思ったことがないので。あ、風邪とかはひいてないですよ。健康は、健康なんですけど、『お、動けるなぁ』と感じたことはない。普通です」

――(当方質問)今季のスーパーラグビー、いかがですか。

「始め(序盤)なので、まだ各チームとも完成していない感じじゃないですか。これからかなと。僕もチーターズの試合だけチェックしていなくて、がっつしたくさんの試合を観たわけではないのですけど」

――五郎丸歩選手が所属するレッズは、開幕2連敗を受けてヘッドコーチが解任されました。

「いきなりいなくなるんですね。他の試合、観ていないです。情報が入ってくるだけで」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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