予算、相手、今どきの義理チョコ事情
義理チョコ予算は1つ800円位?
世間を赤系統の装飾で彩り、ハートマークの飾りがそこかしこに見られ、チョコ系の料理やお菓子がここぞとばかりに立ち並ぶ、バレンタインの季節。女性から手渡されるチョコレートも、本命チョコ以外に義理チョコ、友チョコ、さらには自分チョコなどというものまである。その中で、恐らくはもっとも多くの数が用意されるであろう義理チョコについて、予算はどれ位なのだろうか、誰に渡されることが多いのだろうか。先日ライフメディアのリサーチバンクが発表した、バレンタインデーに関する調査結果をもとに確認をしていくことにする。
まずは義理チョコの予算だが、これは「ひとつ当たりの」購入予算の価格区分を表している。さらにその区分の中央値を基に、概算的な平均額を算出したのが次のグラフ。
「義理チョコ」という言葉からは、数十円台のチョコレート菓子、例えば上記写真にあるようなマーブル系のチョコレートが良くイメージされるが、調査結果を見る限り相場は案外高め。あるいは「500円未満」の階層で、多分に100円未満が含まれているのだろう。
それでも各年齢層で500円から1000円未満が最多回答項目であることを考えると、今件の義理チョコは「それなりにランクの高い義理チョコ」なのかもしれない(学校で男友達にまとめて渡すようなミニチョコのような類は少数派のようだ)。ともあれ、平均額は800円近く/個となる。
さらに2割前後は「義理チョコでもひとつあたり2000円以上を予算に充てる」人がいる。これはこれで驚きではあるが、渡す相手次第では妥当な線。「バレンタインって何だろう? その意義を考え直す」で解説している通り、多くの人は告白ではなく、すでに愛を確認している人、あるいはお世話になっている人への感謝や愛を伝えるための日としてバレンタインデーを認識しており、そのための義理チョコ(相方や彼が渡す相手で無ければ、恋愛対象としての本命でないのだから、義理チョコになる)ならば、高額なチョコが用いられても納得はいく。
義理チョコの相手は誰だろう?
それでは義理チョコの相手はどのような人達なのだろうか。この結果を見れば、義理チョコのひとつ当たりの相場の高さも妥当性のあるものとして理解できる。
父親・義父が最多回答で5割近く、その他家族が1/3、息子が3割近く。その後に肉親以外の対象となる男性上司、男性同僚が続く。兄弟に義理チョコを渡す事例はさほどなく、16.7%に留まっている。同僚などならともかく、肉親などの親しい間柄、親しみを多分に含めた、場合によっては感謝を込めた意味での「義理チョコ」であれば、上記の平均額も納得のいくものといえる。
世代別に見ると歳を経るにつれて「父親・義父」「男性上司」「兄弟」は減少していく。逆に「その他家族」「息子」は歳と共に増加傾向にあるが、これは相手が年頃になるのが主要因と考えられる。あるいは相手からねだられる場合もあろう。
世帯内に絞って見ると、渡す相手は「父親・義父」から「息子」などに移り変わる様子が数字の変化から想像できる。お互いが納得・満足しているのなら問題はないが、父親側は少々寂しい想いをするかもしれない。
ちなみに今調査対象母集団で義理チョコを用意する人の割合は34.8%。単純計算だが、父親が愛娘から義理チョコをもらえる確率は16%ほどとなる。結構高いハードルなだけに、もらえた場合は大いに喜んで良いだろう。
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