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男女で入浴時間が長いのはどちら…?(2024年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
入浴は体をきれいにしたり温まるだけでなく、疲れをいやしてくれる場でもある(写真:イメージマート)

多くの人にとって入浴は疲れをいやしてくれるものに他ならない、とても大切な生活行動の一つである。同時に、多分にプライベートな行動であることから、他人の事情を推し量ることは難しい。その入浴実情を総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用いて確認する。

次に示すのは入浴時間(湯船につかる以外にシャワーやサウナ、銭湯などの利用も含む)の平均時間。全体としては男性29分・女性34分となり、女性が男性より5分ほど長い計算になる。

↑ 入浴時間(分)(2021年)
↑ 入浴時間(分)(2021年)

全体としてだけでなく、75歳以上をのぞく全年齢階層において女性の入浴時間は男性を上回っている。差異がもっとも大きいのは10~14歳における8分差。現役世代では6~7分の差異があり、女性が念入りに入浴している状況がうかがえる。あるいは「非入浴者も含んだ平均」であることから、男性の方が女性よりも入浴をしていない人が多く、平均値を下げているのかもしれない(忙しさや、衛生面への気配りの差があるのだろう)。もっとも、65歳以上では差が縮まり、75歳以上では男女ともに同じ時間となる。

今調査で入浴時間を調査し始めた2006年以降の動向についてまとめたのが次のグラフ。

↑ 入浴時間(男性、分)
↑ 入浴時間(男性、分)

↑ 入浴時間(女性、分)
↑ 入浴時間(女性、分)

まだ4回分しか結果が出ていないが、男性では一部で異なる動きをしている年齢階層もあるものの、女性ではおおよそ入浴時間が延びる傾向があったことが確認できる。昨今では(防水の手立てをした上で)スマートフォンを持ち込む事例も増えており、また入浴を家族のコミュニケーションの場と見なしてさまざまな遊びをしてもらえるような商品の展開も行われている。色々と「楽しむ」手立てが増えたために、入浴時間が延びる傾向を示しているのかもしれない。

一方で直近の2021年に限ると、男性はおおよそ延び、女性は短くなっている。新型コロナウイルスの流行で在宅勤務者が増え、男性は時間に余裕ができたために長風呂に、女性は逆に家族、特に夫が自宅にいる時間が増えて忙しくなったことから、入浴時間も減ってしまっているのかもしれない。

最後に、入浴全般の注意事項として、あまりにも長湯をすると身体に過度の負担がかかることもある点を挙げておく。特に高齢者にはくれぐれもご注意されたい。

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※令和3年社会生活基本調査

国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。

調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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