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小中学生の7.2%は平日一人で朝食を食べている

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
朝食を一人で食べる子供(写真:アフロ)

食事は単に栄養分となる食品を摂取するだけでなく、他人とともに食卓を囲みコミュニケーションを楽しむ機会としても有益な生活行動である。しかし昨今では保護者の多忙さなどから子供が一人で食事をする機会も生じているとのこと。そこで総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用い、10~14歳(学校種類では小学高学年から中学に該当)における、食事を中心とした主な生活行動に関して、誰と一緒に行っているかを見ていくことにする。

今件では対象を10~14歳とし、日常生活行動(主行動だけでなくその他の行動も同時に行っている同時行動も合算している)に際し、誰と一緒に行っているか、その行動者率を算出している。例えば平日の「一人で」「朝食」は7.2%と出ているので、対象者のうち7.2%は回答期日の平日において、朝食を一人で食べた経験があることになる。複数回答形式なので、この7.2%は平日はずっと一人で朝食を食べているわけではないことに注意。

↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、平日)(2021年)
↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、平日)(2021年)

子供達の多くは母親とともに朝食をとっている。父親との割合は4割足らず。早朝出勤や出張などで、時間を合わせにくいのだろう。また「その他家族」が多いが、これは祖父母以外に兄弟姉妹が考えられる。一方昼食はほとんど該当回答無し。これはグラフ中に吹き出しで説明のある通り、学校で給食、あるいは手持ちのお弁当を食べるため(つまりクラスの人達との食事となる)。昼食そのものを抜いているわけではない。

夕食も朝食とあまり大きな変化はない。少々比率が高い程度。父親が多忙で平日の食事時に顔を合わせられない世帯は、6割程度と考えればよいだろうか。父親に関しては「テレビ」項目もほぼ同じ比率を示しており、子供の生活活動時間帯では、その6割程度は父親とほとんど顔を合わせられない状態と推測できる。また、「テレビを一人で見る」子供が1割近くいるのも気になるところ。

これが土曜となると、状況は変化する。

↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、土曜)(2021年)
↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、土曜)(2021年)

朝食時に一緒にいる人だが、むしろ一人で食べる割合は増加し、父親・母親の同居率も減る。子供にとって土曜の朝食は、むしろ平日より寂しさを増しているようだ。昼食は自宅でとることになるわけだが、これも朝食と大きな違いは無し。むしろ朝食より少ないほど。時間を合わせて昼食をとる機会が少ない次第。

大きな変化を見せるのが夕食。父親の同居率が5割強と跳ね上がり、母親も平日より高い値を示す。時間を取りやすい土曜は、せめて夕食は皆で食卓を囲もうとの意思が見えてくる。「テレビ」項目も父親・母親、さらには「その他家族」も併せ、平日より高い値。テレビを介して家族の団らんのひと時を過ごそうとの考えによる結果だろう。

日曜も大勢としては土曜とほぼ同じ。

↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、日曜)(2021年)
↑ 10~14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、日曜)(2021年)

ただし土曜の結果とよく見比べると、例えば朝食の場合は母親や父親の同居率が土曜よりも減り、その分「その他家族」が増える、夕食では父親や「その他家族」の値が土曜よりさらに増えるなど、土曜以上に「家族皆で食事を」の環境を創ろうとしているようすがうかがえる。

他にも例えば「平日でも1割強の子供は母親と一緒にゲームをする。「その他家族」もほぼ同率なので、平日は父親以外の家族皆でゲームをしているらしい」「日曜でも2割強の子供は一人でテレビを見る」など、日常生活上の子供の生活様式が見える結果が出ている。今回は他の調査や事象で取り上げられやすい生活様式に限って値を抽出したが、気になる人は調査結果をたどり、他の行動について詳しく調べてみるのも面白いだろう。

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※令和3年社会生活基本調査

国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。

調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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