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「もう1度、同じ時間を過ごすなら…」と2回。アーロン・クルーデンの反省。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真左から橋本、クルーデン(スクリーンショットは筆者作成)

 4月4日、兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場。国内トップリーグ第6節で、神戸製鋼はパナソニックと全勝対決。13―13で引き分けた。悪天候のもと両軍ともエラーを重ねた。

 試合後、神戸製鋼のスタンドオフとして後半16分からプレーしたアーロン・クルーデンが会見した。今季新加入のクルーデンはニュージーランド代表50キャップ(代表戦出場数)を誇り、即戦力として期待されていた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「腕相撲みたいな試合。天候が流れにインパクトを与えた。ラインアウト、スクラム、陣地の取り合いが多い試合になった。スコアを見て評価すると両チームにチャンスがあり、両チームが限られたチャンスをものにした試合だった」

――登場するや、自陣深い位置から鋭い走りを繰り出した。

「何とかしてチームに貢献しようと思っていた。そのために、『基本をよくしよう』と考えました。あそこでパスをもらったタイミングで前を確認すると、ディフェンスが(中央から外側へ)流れ気味だった。(突破の)チャンスがあると判断しました」

――もっとも、その後の連続攻撃は向こうの好守に寸断された。どうすれば継続できたか。

「もう1度、同じ時間を過ごすなら、もっと長めにボールをキープして(大外で待っていた)林真太郎選手にパスをしたと思います。今回は林選手にパスしたのが早かったので、林選手が(うまく反応した)パナソニックのディフェンスに捕まえられたのです」

――後半37分、45メートルの距離のペナルティーゴールを決められませんでした。

「横風があった。ボールの当たりはよかったのですが。もう1度、同じ時間を過ごすなら、ボールを置く時に(キックティーの)真ん中に置く。あの時は、やや右に置いてしまったので。

このゴールが入ればリードできる状況だったので、入らなかったのは残念な気持ちです。(同僚の)橋本大輝選手が100試合出場達成したこの日、勝ちで貢献したかった」

――エリアマネジメントについて。

「場面によってはボールを持たない選択をした。後半に入っての方向性は『できればスペースへボールを回し、スペースでプレーする。ただしスペースがなく、かつバックスペースがあれば、キックを使って攻めていこう』でした。それができた場面はよかったが、もっとよくできた場面もあったと思います」

 神戸製鋼は10日、大阪・東大阪市花園ラグビー場でNTTドコモとの第7節に挑み、4月中旬以降のプレーオフを見据える。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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