関東は初夏から冬へ逆戻り。曇天低温をもたらす関東特有の『風のけんか』とは?
風のけんかは雨のもと
きのう22日(日)は、東京青梅で27.1℃まで上がり、7月上旬並みの暑さとなったのをはじめ、東京多摩や埼玉、群馬を中心に、25℃以上の汗ばむ陽気となりました。東京都心でも23.7℃と5月下旬並みの陽気となり、桜は一気に満開となりました。
しかし、一晩明けたきょう(月)はタイトル画像にもある通り、関東地方は低い雲に覆われて、冷たい雨のぱらついている所もあります。
この雲域は関東特有の『風のけんか』で発生することが多く、この広がり具合や発達具合を予想するのは難しい予報の一つとなっています。
きょう午前9時の風の様子(予想)をみると、仙台辺りから吹き込んできた北風が関東の東で北東風となり、伊豆諸島付近へ流れこんでいます。一方名古屋辺りからは北西の風が吹き込んでおり、これらの風が伊豆諸島付近でぶつかり合っていることが明瞭にわかります。
風はぶつかりあっても地面の下にもぐることは出来ませんから、必然的に上空へ持ち上がり、これが上昇気流となって、雲が発生することになるのです。雲が発達すれば雨雲となりますので、『風のけんかは雨のもと』とも呼ばれています。
この現象は上空に寒気が入ってきたり、日本海に高気圧がある場合など、比較的頻繁に見られるものなのですが、風のけんかの具合を予想するのはかなり難しく、時には予想以上に関東へ広がり、予想以上の曇天低温をもたらすことがあります。
ひどい場合には晴れの予報が実際は雨になり、これに伴い、気温も予想より大幅に低くなってしまうのです。
初夏から真冬へ?激しすぎる寒暖差に要注意
きょう午前9時の天気や気温の状況を推計気象分布で見ると、風のけんかで発生した雲域が関東南部を中心にかかり、しかも雨雲に発達しているため、所々で冷たい雨が降っています。
この冷たい雨の降っている所を中心に気温は明け方より下がってきており、青色部では10℃未満のひと桁の寒さとなっています。
午前10時現在の状況をみても、東京都心では冷たい雨を観測しており、気温はさらに下がって、8.5℃と厚手のコートが必要な寒さとなってきています。
このまま昼頃まではこの状況が続き、午後になってもこの雲域がしつこく残れば、気温は10℃程度で推移し、昨日の汗ばむ陽気から一転、真冬に戻ったような厳しい寒さが続いてしまう可能性も考えられます。
激しすぎる気温の変化に十分ご注意下さい。
なお、今週水曜日までは上空の寒気の影響を受けて空気の冷たい状態が続く見込みです。