ガソリン補助金延長か?影響や今後の見通しはどうなる?ガソリンの節約術も公開
ここ最近はガソリン代が高くなっており、政府も「ガソリン補助金」の支給を通じてガソリン代を抑制しています。
ガソリン補助金の支給は2023年9月末で終了する予定でしたが、ガソリン価格の上昇が止まっていない状況を受け、政府は支給期限を延長する方向で検討に入りました。
ガソリン代の高騰は家計に大きな影響を与えることから、経済的に苦しい思いをしているドライバーの方も多いでしょう。
今回は、元整備士の私がガソリン補助金の延長がもたらす影響や、今後の見通しなどを解説していきます。
ガソリン価格の決まり方
ガソリンの価格は、原油価格や為替動向など、さまざまな要素が複雑に絡んで決まっています。
実際に消費者である私たちがガソリンスタンドで給油する際に見かける小売価格は「原油価格+精製費+輸送費+企業利益+税金」など、さまざまなコストを合計したものです。
2022年以降、ロシアからの原油受け入れ停止や国際的な原油価格の上昇などの影響で、ガソリン価格は高騰しています。
また、日本は非資源国です。石油は諸外国からの輸入に頼らざるを得ず、石油の取引は外貨で行われることから、円安による仕入れコスト上昇もガソリン代高騰の一因となっています。
ほかにも、脱コロナが進むにつれて世界全体で原油需要が高まったこと、原油産出国で組織されている石油輸出国機構(OPEC)が原油の増産を見送っている点もガソリン代高騰の理由です。
ガソリン価格に含まれているガソリン税も、以前から「高い」と指摘されています。1リットルあたりのガソリン税は28.7円で、暫定税率である25.1円と石油税2.8円が加算され、現在は1リットルあたりのガソリン税は56.6円です。
ガソリン代の約1/3が税金となっていることから、「ガソリン税が高すぎる」と不満を感じているドライバーも少なくありません。
ガソリン補助金とは
ガソリン補助金は、消費者に直接支給される補助金ではありません。
補助金は石油元売り会社に支給されており、ガソリンなどの燃料油の卸売価格と小売価格の急騰を抑制することを目的としています。
資源エネルギー庁のホームページによると、最新(令和5年8月17日~8月23日)の補助金支給単価は12.1円です。
政府による補助が行われているおかげで、これまで10円~40円程度のガソリン代が抑制されています。
補助金は消費者の家計への打撃を抑えていることから、ガソリン補助金の延長は朗報と言えるでしょう。
トリガー条項はどうなる?
ガソリン補助金はあくまでも「一時的な措置」であり、ガソリン代高騰の根本的な解決策ではありません。
ガソリン代を抑制する政府の特別措置として「トリガー条項」があります。トリガー条項とは、ガソリンの平均小売価格が3カ月連続で「1リットル=160円を超えたとき」に、暫定税率である25.1円を減免する制度です。
つまり、政府がトリガー条項を発動されれば、ガソリン代が1リットルあたり25.1円安くなります。
しかし、政府は東日本大震災の復興財源を確保することを理由にトリガー条項の発動を凍結しており、当面は発動しない考えです。
トリガー条項が発動すれば消費者のガソリン代負担は軽減できるものの、当面は期待できない状況といえるでしょう。
ガソリン代を抑えるための方法
ガソリン代の高騰は、いつまで続くかわかりません。
何の対策もしないと家計が苦しくなる一方なので、できる限りの対策を行う必要があります。
安くガソリンを給油する方法
ガソリン代はガソリンスタンドによって差があるように、安く給油する方法があります。
セルフサービスのガソリンスタンドを利用する
高速道路のサービスエリアやパーキングエリアは利用しない
提携クレジットカードを使う
会員割引を使う
ポイントやクーポンを使う
有人のガソリンスタンドはスタッフの人件費が上乗せされていることから、セルフサービスのガソリンスタンドの方が安く給油できる傾向にあります。
また、ガソリンスタンドと提携しているクレジットカードや会員割引を利用すれば「1リットル当たり2円」などの割引を受けられるため、積極的に利用しましょう。
他にも、貯めてはいるものの使っていないポイントがあれば、意識的に使うことも大切です。
燃費を抑える方法
燃費を抑えればガソリンの消費も抑えられ、ガソリン代が安くなります。
アクセルはふんわり踏む
エンジンブレーキを活用してスムーズに速度を落とす
アイドリングストップを意識する
重い荷物を載せたままにしない
エアコンの使用を抑える
タイヤの空気圧を適正に保つ
上記のように、運転する際にも燃費を意識することで、ガソリン代を抑える効果が得られます。
ガソリン代の高騰はいつまで続くかわからない以上、普段から燃費について意識してみてください。
まとめ:当面はガソリン代の高騰が続くことを見込もう
ガソリン補助金延長のニュースが話題になっているとおり、ガソリン代の高騰は家計に大きな影響を与えます。
ガソリン代は原油価格や為替など、自分たちではコントロールできない要素で決定するため、消費者である私たちが行える対策は限られます。
しかし、ガソリンを安く給油する方法や燃費を抑える運転を意識することで、家計への悪影響を軽減できるでしょう。