クリスマス寒波のあとも寒波が続く
特異日
前後の日に比べて、偶然とは思われないほど高い確率で、特定の天気現象が現れる日を特異日といいます。ただ、特定日は固定したものではなく、長周期の変動をすることもありますが、特異日が起こる原因が不明であることから、長周期の変動の理由もわかっていません。
クリスマスの頃は、「日本付近を低気圧が通り、その後寒気が南下する特異日」と言われることがあります。そして、この頃の寒波のことをクリスマス寒波といいます。
11月3日の「晴れの特異日」ほどはっきりした特異日ではありませんが、いろいろなイベントが計画されているクリスマスの日に、天気が大荒れになると印象に残りますので、実態以上の特異日です。
今年のクリスマス寒波
今年、平成29年(2017年)12月25日のクリスマスは、低気圧が西日本を発達しながら通過し、このあと、西高東低の冬型の気圧配置となって強い寒気が南下しますので、日本海側の地方では大雪に注意が必要です(図1)。
低気圧は、その後、オホーツク海南部で急速に発達し、北日本では暴風と大雪に警戒が必要です(図2)。12月25日21時の予想天気図には、中国の山東半島付近に上空に冷たい寒気が入っていることを示す小さな低気圧があります。クリスマス寒波のあとも、次々に寒波が南下しますので、全国的に寒い年末になりそうです。
気温が低いと、雪が止んでも積雪がなかなか減りません。積雪は減らなくても、社会生活に密接に関係する「積算値の積算(積雪積算値)」は、どんどん積み重なってゆきます。大雪が降るときは大きなニュースになりますが、大雪が止んだあとはニュースにはなりにくいのですが、気温が低い場合は雪国の苦労が続いています。
東京と大阪の週間天気予報によると、クリスマス寒波の24日(日)と25日(月)は、発達している低気圧に向かって南から暖気が入ってきますので、まだ気温が低くはならないのですが、その後は気温が日毎に低くなり、東京の12月29日(金)と30日(土)の最低気温の予想は0度です。誤差幅を考えると、氷点下2度から3度の予想です(図3)。大阪も似た傾向です。
平成17年(2005年)のクリスマス寒波
今から12年前の平成17年(2005年)もクリスマス寒波により、北日本は大雪となり、各地で12月としては記録的な積雪となっています。福井県大野市では、雪崩防止柵の取り付け中の雪崩で1人が重傷、勝山市では屋根が雪の重みで抜け落ちて1名が死亡するなど、雪による事故が相次いでいます。
気象庁が「平成18年豪雪」と命名した記録的な豪雪は、平成17年(2005年)12月から始まっています。今年も、「平成18年豪雪」のときと同じく、ラニーニャ現象が発生していますので、警報や注意報などの入手に努める必要があります。
図1、図2、図3の出典:気象庁ホームページ。