「Flower Garden」、Billyrrom初のラップソングで歌われる“多様性の許容”

ふくりゅう

音楽コンシェルジュ

2023/9/19(火) 16:59

●今夏、念願の『FUJI ROCK FESTIVAL '23』に出演

You're the flower of my life.

枯れないで

You're the flower of my life.

もう言わないで

意味がない

でも良いの

You're the flower of my life.

もう泣かないで

（「Flower Garden」より抜粋）

Lyrics ： Rin / Music & Arrange ： Billyrrom

この1年で大きく飛躍し、要注目のバンドがいる。6人組音楽集団、Billyrrom（ビリーロム）だ。ライブハウス渋谷WWW（2022年12月17日）、そして渋谷WWWX（2023年2月25日）での2度のワンマン公演をソールドアウトさせ、映像集団YUKIKAZEによるミュージックビデオが話題となり、今夏、念願の『FUJI ROCK FESTIVAL '23』に出演。2023年、最も活躍が期待されるニューカマーである。

Billyrromとは、東京都町田市出身のバンドだ。ロックやネオなシティ・ポップを経由したソウルフルなファンクネスを解き放つサウンド構築美。ボーカル：Mol、ギター：Rin、ベース：Taiseiwatabiki、ドラム：Shunsuke、キーボード / シンセサイザー：Leno、DJ / MPC：Yuta Haraによる6人組音楽集団。それぞれ、マイケル・ジャクソン、山下達郎、ジャミロクワイ、レディオヘッド、RIPSLYMEなど様々なジャンルの音楽や、芸術家である岡本太郎、そしてジョージ・オーウェル、攻殻機動隊などのSFカルチャーを敬愛する、幅広いルーツを持つメンバーによって、次世代ポップミュージックを創出する。

そんなBillyrromサウンドに地殻変動が起きた。ギタリストRinによるラップをフィーチャーした最新曲「Flower Garden」の登場だ。イントロダクションは歌はじまりで、ボーカリストMolによる包み込むようなボーカリゼーションに魅了される。そこに絡み合う、Rinによるラップは、モノローグとして苦悩を感じさせる独白を続けながらも、ときにMolのヴォイスが挟み込まれダイアローグとして呼応する。

やんわりとしたシンセサウンドに掛け合わされる、ゆったりとグルーヴするブレイクビーツ。中盤以降、Rinの淡々としたラップがエモーショナルに火が灯される。理解し合えないという真理を理解しときに生まれる信頼感。答えは難しい。しかしながら大事なのは許容し合う気持ち。微熱を保ったままに、Molによる天使のような歌声は俯瞰の視点で優しく響き渡る。

Billyrromとしてはめずらしい、何処かしらローファイ感あるヒップホップに近い人肌のぬくもり。だがしかし、言葉にするテーマは深い。歌われるのは、グローバル時代における多様性の許容について。さらに、時代と共に呼吸するポップミュージックを奏でるバンドとして、いかに“自分たちらしさ”を醸し出すポップセンスを高揚できるか。そんな課題にチャレンジしたメッセージソングの誕生だ。それは、ツアータイトルとなった“noidleap”という言葉にもかかってくるのかもしれない。

●進化し続ける6人組音楽集団の最新形態

「Flower Garden」のミュージックビデオは、Billyrrom映像作品を手掛ける、運命共同体＝YUKIKAZEによるものだ。都会めいたルーフトップにて、360度取り囲んだレールを使って撮影した淡い映像美。RinとMolによる手紙の交換から、あなたはどんな想いが伝わってくるだろうか。メンバー総意として届いた楽曲に込められた熱いメッセージを紹介しよう。

「自分達は目の前にいるあなたを分かれているだろうか。そもそも分かる事はできるのだろうか。そして、分かった先に、分かる事ができなかった先に何があるのだろうかという疑問、思いを、あなたと私の間にそっと置くことの出来る作品。」

Billyrromは今秋、東京・大阪で初のワンマンライブツアー『Billyrrom First One-Man Tour “noidleap”』が決定している。トーキョー・トランジション・ソウル（TOKYO TRANSITION SOUL）を奏でる、東京ライブハウス・シーンに新しい潮流を引き起こすインディペンデントに活動するバンド。進化し続ける6人組音楽集団の最新形態を目撃せよ。