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8月のコアCPIは前年同月比2.8%の上昇に

久保田博幸金融アナリスト
(写真:イメージマート)

 総務省が20日に発表した8月の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が108.7となり、前年同月比2.8%の上昇となった。

 総合は前年同月比3.0%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は前年同月比2.0%の上昇となった。

 内訳では食料の3.6%上昇が目立った。コシヒカリを除くうるち米は29.9%上昇と1976年1月以降最大の上げ幅となった。

 「コシヒカリ」が25.6%、弁当の「すし」が4.2%とコメに関連した品目が目立っていた。

 念の為、「コメ」は消費者物価指数では天候による変動が大きい「生鮮食品」ではなく、「生鮮食品を除く食料」に区分されている。

 8月は新米が本格的に出回る前の時期だったこともあるが、9月に出てきた新米価格も大きく上昇していたことで、9月も消費者物価指数を引き上げる要因となりそうである。

 原料のカカオ豆の価格が上昇していることなどから、菓子類のうち、チョコレートが12.7%上がっていた。

 電気代が26.2%の上昇となるなど、2023年1月に始めた政府の電気・ガス料金の負担軽減策がいったん終了した影響も出ていた。

 モノとサービスに分けるとモノは4.5%上昇の上昇に対して、サービスは1.4%上昇と前月と上昇幅は変わらなかった。持家の帰属家賃を除くサービスは2.0%の上昇となり、7月の1.9%の上昇からやや上げ幅を拡大させていた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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