Yahoo!ニュース

キャサリン妃はハイヒールで日帰り出産 第三子は男の子 ジョージ王子とシャーロット王女も面会

木村正人在英国際ジャーナリスト
市民に手を振るウィリアム王子と第三子を抱くキャサリン妃(筆者撮影)

[ロンドン発]英王位継承順位2位のウィリアム王子(35)とキャサリン妃(36)の第3子(同5位)が23日午前11時1分(日本時間同日午後7時1分)、誕生しました。男の子で体重は3817グラムでした。

元気そうな第三子(筆者撮影)
元気そうな第三子(筆者撮影)

テリーザ・メイ首相も、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首もツイッターで祝福の言葉を送りました。

弟に会いに来たジョージ王子(筆者撮影)
弟に会いに来たジョージ王子(筆者撮影)

長男のジョージ王子(4つ)と長女のシャーロット王女(2つ)もウィリアム王子に手を引かれてロンドンのセント・メアリー病院リンド病棟で生まれたばかりの赤ちゃんに面会し、一足先にケンジントン宮殿に帰りました。

シャーロット王女(筆者撮影)
シャーロット王女(筆者撮影)

ロイヤルベイビーも3人目なら注目度も今ひとつではと思いきや、AからDまで4つに分けられた報道陣のエリアは超満員。望遠カメラの砲列がリンド病棟の玄関に向けられました。

赤ちゃんを抱いたキャサリン妃は白い襟のついた真紅のドレスを着てウィリアム王子と一緒に玄関から出てきました。英BBC放送によると、イギリスのファッションデザイナー、ジェニー・パッカムの作品だそうです。足元を見ると、なんとハイヒールです。

キャサリン妃の白い襟と真紅のドレスの意味は(筆者撮影)
キャサリン妃の白い襟と真紅のドレスの意味は(筆者撮影)

赤と白の組み合わせは、聖ジョージの日(4月23日)にちなんで白地に赤十字のイングランド旗(聖ジョージ旗)に合わせたという説や、故ダイアナ皇太子妃が1984年にヘンリー王子を出産して病院を出る時に着ていた服と同じ色合わせという説が紹介されています。

5月19日に米女優メーガン・マークルさんと結婚するヘンリー王子への粋な計らいだったのでしょうか。ウィリアム王子は報道陣に向かって3つの指を立てて「とても幸せだよ。でも心配事が3倍になった」と冗談を言いました。

キャサリン妃はこの日午前6時前にウィリアム王子に付き添われて入院し、午後6時前には退院しました。シャーロット王女の時と同じく日帰り出産でした。

泊まり込みで第三子の誕生を待った常連の追っかけさんたち(筆者撮影)
泊まり込みで第三子の誕生を待った常連の追っかけさんたち(筆者撮影)

英王室の追っかけさんたちもリンド病棟前で泊まり込んで、第三子の誕生を待っていました。

追っかけの常連、テリー・ハットさん(82)はシャーロット王女誕生前にはウィリアム王子とキャサリン妃から差し入れをしてもらったことがあります。今回も各国メディアから「テリー」「テリー」と声をかけられ、ひっきりなしにインタビューを受けていました。

赤ちゃんの人形を掲げて喜ぶテリー・ハットさん(中央、筆者撮影)
赤ちゃんの人形を掲げて喜ぶテリー・ハットさん(中央、筆者撮影)

「今回は15日間泊まり込みました。とても幸せです。圧倒的です。王子の名前は(フィリップ殿下と同じ)フィリップになるのではと思っています」

タウン・クライヤーのいでたちで現れたトニー・アプレトンさん(筆者撮影)
タウン・クライヤーのいでたちで現れたトニー・アプレトンさん(筆者撮影)

昔ながらのタウン・クライヤーのいでたちでトニー・アプレトン氏がリンド病棟前で祝福の鐘を鳴らし、男の子の誕生を知らせました。追っかけさんたちは持参してシャンパンで乾杯し、祝福の歌を合唱しました。

ブラックキャブ(ロンドン名物の黒塗りタクシー)に乗ったエリザベス女王の蝋人形まで登場し、沿道を埋めた市民を喜ばせました。

なんとエリザベス女王まで登場(蝋人形、筆者撮影)
なんとエリザベス女王まで登場(蝋人形、筆者撮影)

大学院で不動産投資を学ぶソフィア・ロビンスさんは「メディアの第一報を聞いて午前8時半にやって来ました。今日は私の26歳の誕生日です。その日にロイヤルベイビーが生まれて、この目で見ることができるなんて最高の誕生日プレゼントです。でも明日の午後に試験があるので少し心配です」と話してくれました。

この日が誕生日というソフィア・ロビンスさん(右、筆者撮影)
この日が誕生日というソフィア・ロビンスさん(右、筆者撮影)

賭け屋ラッドブロークスによると、第三子の名前はアーサーが一番人気で3倍。ジェームズが2番人気で5倍、アルバートが7倍、フィリップは11倍だそうです。

早くも第三子の名前が賭けの対象に(筆者撮影)
早くも第三子の名前が賭けの対象に(筆者撮影)

ちなみにリンド病棟のお値段はスタンダードルームでも1泊5,900ポンド。追加料金は1,175ポンドで、合わせると7,075ポンド(107万円)。スイートルームは要相談とのことです。

貧富の格差に対する批判が強まっていることから、キャサリン妃は費用が少なくて済む日帰り出産を選択しているのかもしれません。

(おわり)

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

木村正人の最近の記事