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NY原油15日:需給緩和に対する警戒感を蒸し返し、小幅下落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油6月限 前日比0.19ドル安

始値 59.67ドル

高値 59.89ドル

安値 58.42ドル

終値 59.69ドル

特に目新しい材料は見当たらなかったが、過剰供給に対する警戒感が蒸し返される中で、戻り売り優勢の展開になっている。

米シェールオイルには減産の兆候が見られるが、前週の米製油所稼働率低下を受けて、再び在庫増加圧力が強まるリスクが警戒されている。一方、石油輸出国機構(OPEC)は高レベルの産油水準を維持しており、国際原油需給バランスはなお緩和的との評価が優勢に。6月にはOPEC総会も控えているが、減産合意に向けての動きは鈍く、供給サイドから需給緩和状態を是正するハードルの高さが再認識されている。

もっとも、為替市場ではドル安傾向が続いており、こうした中でドル建て原油相場を大きく押し下げるまでの動きは見られなかった。従来と比較すると、単純にドル安連動で値位置を切り上げるような動きは鈍くなっているが、需給面に手掛かりが乏しい中、本格的に下値切り下げを打診するには、ドル安傾向にブレーキを掛けることが必要条件となろう。短期的には、需給動向よりもドル相場の動向に注目したい。

急激な原油高は一服しているが、ドル安傾向が続いている間は、大きな値崩れは起きづらい。目先はドル高回帰の動きと連動して調整圧力が強まる展開を想定しているが、依然としてドル安傾向が続いていることが、下値をサポートしている。需給面では、米国のシェールオイル生産が鈍化し始めているが、OPECなどの大量供給が続く中、緩和状態は維持される。需給要因から買い進む必要性は乏しく、ドル安にブレーキが掛かれば調整圧力が強まろう。

なお、米ベーカー・ヒューズ社発表の石油リグ稼動数は前週比-8基の660基となった。これで23週連続の減少となる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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