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季節を進める台風2号が発生へ、梅雨前線の北上強化に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風2号発生へ

熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)
熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧や台風情報(気象庁)

気象庁によると、現在南シナ海にある熱帯低気圧が発達し、今後24時間以内に台風へ変わる見込みとの情報が発表されています。

今年初の台風1号が発生したのが5月12日でしたから、もし発生すれば、ほぼ一か月ぶりの台風2号発生ということになります。

また台風1号の発生は、統計のある1951年以降で、8番目に遅い記録となりましたが、台風2号に関しては、あす13日(土)までに発生すれば、過去14番目の遅さとなり、記録的な遅い発生というわけではありません。

JTWC(米軍合同台風警報センター)の予想は?

熱帯低気圧情報(JTWC予想に筆者加工あり)
熱帯低気圧情報(JTWC予想に筆者加工あり)

参考までにJTWC(米軍合同台風警報センター)の予想では、今夜までに台風の勢力へ発達し、その後真っすぐに北西方向へ進み、日曜日から月曜日にかけて、中国大陸へ上陸し、衰弱する予想です。

JTWC以外の予想もほとんどこのような進路でおおむね揃っていますが、発生したあとの気象庁の進路予想に、念のため、ご注意下さい。

台風が間接的に梅雨前線を北上強化させる?

太平洋高気圧や梅雨前線の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧や梅雨前線の予想(ウェザーマップ)

今のところ、発生が予想される台風2号は南シナ海から中国大陸を目指す計算でほぼ一致していますが、この台風2号(熱帯低気圧)が沖縄付近の太平洋高気圧の勢力を強めているため、きょうは沖縄で平年より11日も早く梅雨明けの発表がありました。

台風というのは大きな上昇流を伴っており、そのとなりにある太平洋高気圧の上空では下降流となるため、この高気圧を強める働きがあるのですが、今度はこの高気圧が強まった結果、その北側に位置している梅雨前線を押し上げて、活動を活発化させることがよくあります。

今回も同様で、梅雨前線は週末にかけて、梅雨末期のように(季節が進んだかのように)一時的に本州の日本海側まで北上し、南からの非常に湿った空気の補給を受けて活動が活発化する見込みです。

発生が予想される台風2号がたとえ近づかなくても、西日本や東日本を中心に、梅雨前線による大雨に警戒をして下さい。

参考:デジタル台風

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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