台風11号はジェット気流に乗り急加速へ、北日本にかけても早めの備えを
台風11号はジェット気流に乗り急加速
台風11号は沖縄近海をゆっくりと北上しています。今後も東シナ海をノロノロと北上しますが、九州北部付近から次第にジェット気流に乗り、急加速しそうです。
上図は上空10000メートル付近の風の流れと台風11号の位置関係を予想したもので、オレンジで着色されているジェット気流は色が濃くなるほど風が強いことを表しています。
あす5日(月)午後3時では、まだ台風11号とジェット気流は離れているため、ノロノロと北上しますが、6日(火)午前3時になると、台風11号は朝鮮半島の南端付近に達するとともにジェット気流に接近する予想です。
その後、6日(火)午後3時には、台風11号が日本海へ入るとともにジェット気流に乗るような形となり、急加速して、一気に日本海を駆け抜ける見込みです。
北日本へ急接近も
大型で強い台風11号は昨夜遅く石垣島と宮古島の間を通過し、きょう4日(日)午前6時の段階で、東シナ海を時速15キロで北へ進んでいます。
あす5日(月)にかけても、時速15キロのノロノロとした速度で北上し、6日(火)午前3時、九州の西海上でもまだ時速は20キロと予想されています。
ところが朝鮮半島の南端から日本海へ入る頃から急加速し、時速50キロから60キロの自動車並みの速度で、一気に日本海を北東へ進む見込みで、6日(火)夜には北日本でも急激に南風が強まる心配があります。
なお、7日(水)午前3時には温帯低気圧に変わる予想ですが、中心気圧は970hPaで、この時点でも最大瞬間風速は50メートルと予想されており、予報円の東側を進むほど、北日本は南風が強まり、暴風に見舞われるおそれがあります。
なお、勢力の強い大型の台風が日本海を加速しながら進む場合、本州付近全体が台風の雨や風の強い危険半円に入るため、台風が離れて通る地方でも油断は禁物です。特に強い南風に対して、一層の注意、警戒が必要となります。
暴風警報級の可能性
上図は早期注意情報(警報級の可能性)の暴風警報に関してのものです。
あさって6日(火)は、台風11号が非常に強い勢力で近づくおそれのある九州北部で暴風警報の可能性が[高]となっており、予想される最大瞬間風速は、以下の通りです。
対馬海峡 55から70メートル
九州西海上 40から60メートル
豊後水道 25から35メートル
瀬戸内海 25から35メートル
有明海 25から35メートル
陸上 40から60メートル
陸上でも40メートルから60メートルと予想されており、台風11号の進路や勢力によっては、記録的な暴風が吹くおそれがあります。
九州北部以外でも、6日(火)は西日本から北日本の日本海側にかけて、[中]となっており、北海道でも6日(火)には、もう暴風警報が発表される可能性があります。その後、7日(水)にかけて、北陸から北海道では[中]となっており、広い範囲に暴風警報が及ぶ可能性が示唆されています。
また情報の出されていない関東などでも、注意報レベルの強い南風が吹く可能性は十分にあるため、太平洋側でも強い風に注意が必要です。