台風19号は14年ぶりの急発達、台風20号は沖縄の南を指向か
台風19号は14年ぶりの急発達
台風19号が14年ぶりの急発達を遂げ、今年最強の台風となっています。
気象庁の発表によると、台風19号の中心気圧は、おととい29日(木)21時の時点では990hPaとなっており、このあと24時間後のきのう30日(金)21時の予想では970hPaに発達するというものでした。
ところが予想外の急発達を遂げ、実際は915hPaと24時間に75hPaも急降下し、一気に今年最強の猛烈な台風となりました。(速報値にて)
国立情報学研究所(デジタル台風)のデータで調べると、24時間に75hPa以上も中心気圧が下がった台風は、2006年台風20号以来14年ぶりで、これまでに発生した台風1831個のうち、わずか19個しかなく、平均すると台風100個に1個程度の割合ということになります。
台風19号がこれだけ急発達を遂げた理由は、海水温が30℃前後あることや台風のスケールが比較的小さいこと、また上空にかけての環境場が発達に適していたことなどが挙げられると思いますが、それにしても少しびっくりするような発達の仕方となりました。
なお台風19号は今が最盛期の状態で今後は徐々に勢力が落ちる予想ですが、それでもあす1日(日)には非常に強い勢力でフィリピンを直撃する予想で、大きな災害が懸念される状況です。
JTWC(米軍合同台風警報センター)の解析では最大瞬間風速約100メートル
参考までにJTWC(米軍合同台風警報センター)の台風19号の解析では、きょう31日(土)午前3時の勢力は、中心付近の最大風速155ノット(1分間最大風速)で、これは約80メートル、また最大瞬間風速190ノットは約100メートルに相当し、台風としては極めて強いスーパー台風という発表をしています。
台風20号はまだ不確実ながらも沖縄南方へ
台風20号は、予報円の真ん中を進むと、あさって2日(月)頃までは比較的順調に北西進し、北緯20度近くまでやってきそうですが、このあたりから台風を流す上空の風が弱まるために、しばらく動きが遅くなりそうです。
その後は再び強まる太平洋高気圧に押されるように西進を始める予想ですが、5日後の5日(木)午前9時の予報円の直径は1300キロもあり、かなり不確実性が大きな状態となっています。
ただ最も北寄りに進むと沖縄県の先島地方にかなり近づく可能性もあるため、今後も最新の予報円を確認するようにして下さい。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)