国際線航空券は消費税非課税なので9月中に購入する必要なし。10月の方が燃油サーチャージ値下げでお得に
消費税の増税まであと1週間となった。増税前に駆け込みで高額商品の買い物をする人が増えている中で、費用が高額となる海外への国際線航空券を9月中に支払いを済ませておいた方がいいと思っている人も多いが、実は9月中に購入すると逆に損する可能性が高いのだ。
国際線航空券は消費税の課税対象外
日本から海外への国際線航空券は、元々非課税となっており、今回の消費税増税の影響は基本的には受けない。その為に10月以降に購入しても航空券の価格自体は変わらないのだ。ただし、国内空港から出発する場合に徴収される「旅客取扱施設利用料(PSFC)」などのいわゆる空港税は消費税の対象となっており、羽田空港では現行2570円から10月以降の発券分からは2610円、成田空港では現行2610円から10月以降の発券分からは2660円に引き上げられることになる。50円程度のアップする程度なのだ。
ANA(全日本空輸)のホームページには、国際線における消費税の取扱について以下のように記載されている。(以下ANAホームページより抜粋)
10月からの燃油サーチャージ引き下げの方がメリット大。欧米路線で往復7000円下がる
つまり、日本国内のみで消費されるものに対しては消費税の課税対象となるのだ。このような状況の中で、10月以降の出発で急いで今週中に予約を急いで航空券を購入する必要がなければ、10月1日以降の購入をおすすめする。その理由は、大手航空会社を中心に燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)の引き下げが10月1日にあるからだ。航空券運賃と別に徴収される燃油サーチャージは、航空燃料の市況に応じて、ANAやJALなどでは2ヶ月毎に見直している。この燃油サーチャージの徴収額が10月・11月発券分(購入分)は現行よりも引き下げられるのだ。
ANA・JALともに、ヨーロッパ・北米・オセアニア路線では9月中の購入だと往復2万8000円が10月・11月購入だと往復2万1000円となり、7000円も安くなるのだ。また、ハワイ路線では9月中の購入で往復1万7000円が10月・11月購入で往復1万2000円、タイ・シンガポール・マレーシア路線では9月中の購入で往復1万3000円が10月・11月購入で往復9000円となるなど、10月・11月に購入した方が逆にお得になる。LCC(格安航空会社)では燃油サーチャージを徴収しない場合もあるので、現在購入しても変わらないケースもあるので、利用する航空会社の燃油サーチャージの額を確認してみるといいいだろう。
国内線航空券は8%から10%にアップ
日本国内の国内線航空券は消費税の課税対象となっていることから10月以降の購入分において現行の8%から10%となる。搭乗日に関係なく購入日によって税率が決定されるので、既に予定が確定しているのであれば今月中に購入した方がお得になる。また、変更が可能な航空券で10月以降に便変更をする場合でも9月中に購入すれば現行の8%が適用されることになるので、年末年始を含む冬休みや来年の春休み、更にはANAでは355日前、JALでは330日前から予約が可能になったことから、夏休みの航空券を消費税8%の段階で購入するということもできるのだ。
関連記事:JAL国内線、9月10日より330日前から予約開始。ANAもJALも55日前までキャンセル料ほぼ不要(2019年9月8日掲載)
国内線航空券は予定が確定しているのであれば9月中の購入がお得になるが、国際線航空券は、消費税の影響を受けずに燃油サーチャージが引き下げられることから、増税前の駆け込み購入の必要は、とりあえずはなさそうだ。