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バトラーが再び大爆発! NBAファイナル第5戦は、マイアミが111-108でレイカーズを振り切る

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
CBSは、レブロンvs.バトラーを『ロッキー4』のようだったと表現した(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロスアンジェルス・レイカーズとすれば、故コービー・ブライアントがデザインした<Black Mamba>モデルのユニフォームで、優勝を決めたかったであろう。しかし3点差で敗者となり、<Black Mamba>での5連勝は飾れなかった。

 正直に述べれば、私は第5戦で勝負が決まると思っていた。マイアミ・ヒートがレイカーズを相手に白星を挙げられるのは、1度が精一杯だろうと感じた。

 しかし、第3戦に続き、またまたジミー・バトラーが大爆発。https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20201006-00201567/

 9日の第5戦も、バトラーは47分11秒プレーし、35得点、12リバウンド、11アシストとファイナル2度目のトリプル・ダブルを記録した。

 レイカーズの3勝2敗で、2日後に第6戦を迎える。

 CBSは「レブロン・ジェームズに真正面から打ち合いを挑んだジミー・バトラーが、若さを見せた」と報じ、肉体標本のようなレブロンをイワン・ドラゴ、何度もキャンバスに沈められたバトラーをロッキー・バルボアに例えた。『ロッキー4』である。

 非常にアメリカ的で微笑んでしまうが、こちらは映画ではなくリアル・ファイトだ。ハイレベルであり、目にした全てのファンにバスケットボールの醍醐味を味わわせる、死闘と呼べるゲームだった。

 2Q3分42秒時点でヒートが11点差でリードするも、レイカーズも追い上げ、ハーフタイムに60-56。が、最終Q34秒には91-82とヒートが改めてペースを掴む。

 この試合におけるレブロンのKINGぶりは、ここから強調された。ディフェンス・リバウンド、3ポイント、ターンオーバーと鬼気迫るプレーで5分40秒に96-97で逆転。

 その後も一進一退で両チームは主導権を奪い合うが、最終的には111-108でヒートがレイカーズを振り切った。

 残り46.7秒でヒートがタイムアウトを取った際、上半身を折り、両肘を柵に付けてしばしの休息を取るバトラーの姿が、試合の激しさを物語っていた。このゲームで最も長時間コートに立っていたのは、バトラーである。

 2番目は、42分13秒プレーしたアンソニー・デイビス(28得点12リバウンド3アシスト)。3番目が"KING"レブロンで、41分51秒(40得点13リバウンド7アシスト)。

 エースのプレー時間が、明暗を分けたか。 

 試合後、バトラーは言った。

 「レイカーズが俺たちと同じように勝利に飢え、本気で勝ちを目指していたことが分かった。チームメイトと共に、コートに全てを出し切った。いつも俺は『勝つ。チームの為にも勝つんだ!』って言うが、我々は各々が何をすべきかを理解している。

 次の試合はもっと厳しくなるだろう。でも、チャンスだ」

 今シーズンのファイナルでブレイクしたバトラーと、"KING"レブロン。次戦では、どんなぶつかり合いを見せるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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