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地鶏スープが贅沢! 焼鳥の名店が本気で始めたラーメンランチに行ってみた【酉の/東京】

今回冒険するのは、東京・荻窪の「酉の」。地鶏を扱う焼鳥の名店が2023年4月、昼営業として「らぁうめん酉の」をオープン。焼鳥丼や親子丼をランチに出す焼鳥屋はあるけれど、ラーメンはまだまだ少ないと思う。鶏スープは焼鳥屋の命。どんな表情を見せてくれるのだろう。

焼鳥屋ならではの地鶏スープ

荻窪駅北口からほど近く。再開発が予定されているという一角に「酉の」という焼鳥屋がある。東京の焼鳥好きでは知らない人はいないほどの名店だ。

その「酉の」がこの春、〝二毛作〟としてラーメンを始めたのだとか。これは、行かないわけにはいかないというもの。

「酉の」は箱が小さいこともあり、昼営業が始まる11時30分に合わせて向かう。店に着くと「らぁうめん酉の」と描かれた看板が目に入った。

「ラーメン」でも「らぁめん」でもなく「らぁうめん」。見慣れない言葉ではあるけれど、なんとなく、この響きが日本的で愛らしく思えてくるから不思議。

「醤油」と「塩」があるようだけれど、ここはオーソドックスに「鶏醤油らぁうめん」(900円)に味玉を付けることにした。初心、大事。

鶏醤油らぁうめん+味玉
鶏醤油らぁうめん+味玉

頼んでからものの数分で着丼。色の濃い醤油スープには鶏と豚それぞれのチャーシューが浮かんでいる。焼鳥屋のラーメンだから鶏だけでも作れるとは思う。

でも、ラーメンという食べ物を考えたとき、スープの方向性はどうであれ、豚チャーシューの方がしっくりとくるんだ。

まずはスープ。……うーん、濃い! さすがは焼鳥屋。青森シャモロックや熊野地鶏、阿波尾鶏などの地鶏からとったというスープは厚みがある。こればかりはラーメン専門店ではそうそう出会えない食材だ。

その奥深いスープに合わせるのは、ちょっと甘めのかえし。ラーメンでありながら、どこか鴨蕎麦のような和のアプローチが面白い。これが「らぁうめん」ということなのかもしれない。

ちなみに、チャーシューの上にあるのは「味変」用のこしょう調味料。溶かせば甘めのスープをキリリッと引き締めてくれる。なるほど。こういうところも抜かりないなぁ。

麺は中細。パツンとした麺ではなく、どちらかといえば、もっちりとしている。クセがなく、誰にも食べやすい。

味玉の半熟具合もお見事。なんでも「醤油」と「塩」とで、味玉の味付けも変えているんだとか。

チャーシュー丼も見逃せない

せっかく来たなら、ラーメンだけでなく「鶏ちゃーしゅー丼」も。ラーメン専門店によっては、ラーメン用のチャーシューの端肉を丼に使うところもあるけれど、これは立派なもんだ。丼用にちゃんと切り出している。

チャーシューのうまみとねぎの香味、間違いない。メニューの端に見えたランチビールの文字はやたらと誘惑的かつ挑発的だったのだけれど、ここは我慢、我慢。

鶏醤油らぁうめんも、鶏ちゃーしゅー丼も完食。とくにスープは地鶏本来の風味を生かすため、うまみ調味料をはじめとした食品添加物を使っていない。

そこは「酉の」店主・千葉さんの焼鳥屋として譲れないこだわり。だから、するするっと完飲。なるほど。これは、昼間も人気が出るわけだ。

店舗情報
【店名】酉の
【最寄り駅】荻窪駅
【住所】東京都杉並区上荻1-6-11
【予約】03-5856-2070
【定休日】不定休
【鶏メモ】青森シャモロック、熊野地鶏、阿波尾鶏

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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