ベテルギウスは12月12日に見えなくなる!「世紀の天体ショー」が話題に
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「ベテルギウスに関する世紀の天体ショー」というテーマで動画をお送りします。
●12月12日、ベテルギウスが消える?
2023年12月12日、オリオン座のベテルギウスが地球の一部の地域で数秒間見えなくなるという天体現象が発生すると予想されています。
このような現象は非常に珍しく、私たちが生きている間にもう一度見ることはできないかもしれないほどです。
その希少性についても後ほど触れていきます。
ベテルギウスが一部の地域で見えなくなる原因は、火星と木星の間の小惑星帯に位置する小惑星「レオナ」が、たまたま地球から見てベテルギウスの前を横切るためです。
レオナは卵のような形をしており、大体の直径が70kmであると考えられています。
○この現象がいかに珍しいのか
小惑星も恒星も地球から見て極めて小さいため、小惑星によって恒星が隠される現象自体が珍しいものです。
そのような現象が、ベテルギウスのような極めて有名な恒星に対して起こることは、非常に幸運といえます。
そしてこの現象が、太陽以外で類を見ない「金環食」となれば、恐らく生きている間に二度とは見れないほどのとてつもなく希少な現象となります。
恒星は巨大ですがあまりに遠く離れているため、基本的に小惑星の方が大きく見えます。
そのため小惑星により恒星が隠される場合、その全体が隠される場合がほとんどです。
しかしベテルギウスは非常に巨大な赤色超巨星であり、地球から530光年とかなり遠くにあるものの、「地球から見て太陽を除いて最も大きく見える恒星」です。
具体的にはレオナの視直径が約46ミリ秒角なのに対し、ベテルギウスは約50ミリ秒角あります。
ベテルギウスの全体が隠されるのではなく、周囲のみが輝いて見えれば、太陽以外の恒星では類を見ない「金環食」が見られる可能性があります。
このような現象は私たちが生きている間に二度とは見られないでしょう。
ただし視直径の推定には誤差があるため、実際には異なる見え方をする可能性も考えられます。
●期待される発見
ベテルギウスが一時的に消えて見える現象は、単に極めて珍しいというだけでなく、新たな天文学的発見をする上でまたとない好機となるかもしれません。
まず、小惑星レオナの詳細な形状がわかる機会となります。
小惑星の形状によって、地球の各地域におけるベテルギウスの減光の仕方が変化します。
逆に、地球の各地域でベテルギウスの減光の仕方を調べることで、より詳細に小惑星の形状を推定できるかもしれません。
そして、ベテルギウスの詳細な情報もわかるかもしれません。
今回のイベントが「金環食」となった場合、ベテルギウスの周囲の暗い特徴だけが非常によく観測できることになります。
寿命が近付き、膨張した星の姿をよりよく理解するための、またとない絶好の機会になるかもしれません。
●天体ショーを見る方法
ベテルギウスも小惑星も非常に小さく見えるので、実際に天体ショーが見られるのは、世界の一部の地域のみです。
残念ながら日本でも見られません。
しかし幸いにも、現代ではインターネットが発達しているので、その映像をどこからでもリアルタイムで楽しむことができます。
日本時間12月12日午前10時からYouTubeで天体ショーのライブ映像が配信される予定で、配信先のURLを以下に記載しておきます。
またとない機会なので、時間を取れる方はぜひ生で見てみてください。
また、ベテルギウスに関する定説が覆った新発見、あの大減光事件にまつわるまとめ、そして超新星爆発が起こる未来に関する考察など、最近もたらされたベテルギウスに関する話題を体系的に学べる総集編の動画もあわせてご覧ください。