新たな熱帯低気圧が発生、今週後半、沖縄などに大きく影響するおそれも
活発な積乱雲が増加中
タイトル画像にある通り、小笠原近海にあった低圧部がきょう4日(日)午後3時に熱帯低気圧に変わりました。
低圧部とは循環があるものの中心位置がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、気象庁の解析で、この低圧部の循環の中心位置がハッキリと認められたために熱帯低気圧と名前が変わりました。
熱帯低気圧は中心付近の最大風速が17.2メートル以上になれば台風となりますので、台風のたまごの発生ということになります。
上図にある熱帯低気圧周辺の雲形をみても、きのう3日(土)よりきょう4日(日)の方が積乱雲を示す赤い部分が増えてきており、このことからも中心付近が発達傾向であることが分かります。
6日(火)頃までは動き遅い
気象庁の予想天気図によると、新たに発生した熱帯低気圧は、あさって6日(火)にかけて、小笠原近海で動きが遅く、同じような場所にとどまる予想となっています。
またそれほど発達傾向を示していない予想ではありますが、中心付近の積乱雲は増加傾向を示しており、この予想以上に早めに発達する可能性も考えられます。
しかも、あさって6日(火)以降の進路が心配される状況です。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想は?
あくまでも参考ではありますが、最新のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想をみると、新たに発生した熱帯低気圧は、上記の気象庁の予想と同じく、あさって6日(火)頃まで小笠原の南西海上にとどまった後、東海上から張り出しが強まる太平洋高気圧に押されるように西進をはじめ、台風の勢力に発達しながら、8日(木)から9日(金)頃、沖縄近海に到達する予想となっています。
ヨーロッパ中期予報センター以外の計算をみても、今週後半にかけて、日本の南海上を沖縄方面へ西進する計算でこれまでよりは揃い始めており、しかも30℃前後ある海面上で台風の勢力に発達しながら西進する計算も増加傾向です。
気象庁による沖縄県那覇の週間予報でも、きのう、おとといよりは熱帯低気圧の接近する可能性が高くなってきたために、『期間の中頃からは熱帯低気圧の影響により曇りや雨となり、荒れた天気となる所もある見込みです。なお、熱帯低気圧の影響により、海上では7日(水)からしける所があり、熱帯低気圧の動向によっては、8日(木)頃から大しけとなるおそれがあるでしょう。』と接近する熱帯低気圧に注意するよう呼びかけるコメントも発表しています。
まだ気象庁からはこの熱帯低気圧が台風に発達するかなどの公式的な発表はなされていませんが、暖かな海面上で勢力を強めながら、今週後半、沖縄に近付くおそれがこれまでより高くなってきたと考えていいでしょう。
また少数派ではありますが、本州の南海上に北上してくる計算もあり、もしこうなれば、秋雨前線が活発化しながら北上し、西日本の太平洋側を中心に影響を受ける可能性も考えられます。
きょう発表された高知や鹿児島の週間予報では、週末に信頼度がCながらも傘マークが付き始めています。
今後熱帯低気圧が発達しながら近付くおそれのある沖縄をはじめ、奄美や西日本などでも熱帯低気圧の動向に注意が必要です。
今後も最新の状況や予想をお伝えしていきたいと思います。