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【神戸市北区】坂の街神戸を象徴する「日本初」を訪ねて神戸市北区の団地へ!

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

神戸は坂の街。先日放送された読売テレビ「秘密のケンミンSHOW」でも「神戸市周辺に住む兵庫県民は、急な坂道が多過ぎてつらいよ!?」ってやってましたよね。そんな斜面市街地(傾斜10度以上)の人口密度全国トップクラスの神戸を象徴するような施設が、神戸市北区に存在するというので見に行ってきました。

最寄りの駅は神戸電鉄花山駅。先日リニューアル完成式典の模様をこちらの記事でご紹介しましたが、この駅を降りて徒歩約8分ぐらいでたどり着きます。

改札を出て線路沿いの道を少し歩き、1つ目の踏切を横断。

なにか見えてきましたよ。(車窓からも見えてますが)

歩道橋を渡ると・・・

なにかテーマパークのアトラクションの乗り場のようなものが出現。

「花山東団地 都市再生機構 西日本支社」と書かれています。
そう、ここは花山東団地という団地にあるエレベーターなのです。
斜めなのでエスカレーター??と思うかもしれませんが、これは紛れもなくエレベーター。

進んでいくと・・・

エレベーターの乗り口が左右に。

正式名称は「花山東グリーンエレベーター」。団地の住民から募集して付けられた「スカイレーター」というかっこいい愛称もあります。

早速乗ってみましょう。

ボタンが「上」と「下」の2つだけ!
「上」ボタンをぽちっと押すと動き出しました。動きは普通のエレベーターとかわりません。

でも、エレベーター内には窓があります。
斜めに移動しているのがよくわかるー。
エレベーターマニアならたぶんここで「おぉーーー、すごーーい」と声を上げるんでしょうね。私はマニアではないのでそこまで驚かなかったですが、乗り物は大好きなのでテンションは上がります。

取材時は桜が散りかけの頃でしたけど、満開なら綺麗に咲いてるところが見えるんだろうなー。

天井には吊手棒?って言うのでしょうか。満員の時につかまる棒があります。
満員になることもあるのでしょうか?朝のラッシュ時とか?

などと考えていたら、あっという間に着いちゃいました。約40秒の日本初体験。

なんかタイムトンネル抜けたような気分です。

おおーー
存在感ありますねー、この建物。
右手に階段がありますが、立入禁止です。展望台ではないので入らないように。

見晴らしはいいですけど、見えるのは周辺の住宅地だけ。

この斜行エレベーターは、1984(昭和59)年に日本で初めて設置されたもので、当時から花山東団地の住民の足として今も現役で活躍しています。団地自体は1970年代後半に開発されたそうですけど、エレベータがなかったときはさぞかし大変だっただろうなーと思いますね。全長は約62m、高低差は約27m。階段だと約3分ぐらいかかるようです。

観光地でも有形文化財でもないのでわざわざ見に行くほどのものではありませんが、この堂々とした姿と見ると、いやもうこれは立派な昭和遺産。有形文化財として登録されてもおかしくないのではと思えてきます。

エレベーターの先には、花山東団地ショッピングセンターという、URの団地にありがちな商業施設が。コープミニ花山と数店の商店が営業中のようですが、なんとなく昭和の雰囲気が漂っています。団地についてはURのサイトで詳しく紹介されていますので、毎日この斜行エレベーターに乗りたいというマニアな方は、是非空室がないか問い合わせてみてはいかがでしょう。

2023年5月2日現在、家賃35,000円から67,200円まで32室空室あるみたいですよ。一番家賃が高い部屋で8階建ての7階。86平米あってなんとメゾネットタイプ。築年数37年と少々古いですが、86平米で67,200円は安いのではないでしょうか。(物件詳細、リンク切れてたら成約済みです)

ちなみに兵庫県は全国でも斜行エレベーターが多い県だそうで、この他にも須磨パークヒルズ(住民のみ利用可)、西宮名塩ニュータウン、ラ・ビスタ宝塚、芦屋川トンネルの地下道、シーサイドホテル舞子ビラ(窓はありません)、つかしん(尼崎市、屋上フットサルコート行)などがあります。

基本情報

施設名:花山東グリーンエレベーター(愛称 スカイレーター)
住所:神戸市北区花山東町

ご注意
この斜行エレベーターは、あくまでも花山東団地住民の為のものです。見学される際は住民に迷惑にならないようにしましょう。

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WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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