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【神戸市兵庫区】地図にある「へこたれん坂」が気になったので行ってみたら・・・

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

Googleマップで神戸市兵庫区の会下山公園あたりを眺めていたら、気になるスポットを発見。それは「へこたれん坂」。坂道が急すぎてへこたれてしまうような坂なのか?なぜこんな名前なのか? とにかくどんな坂なのか見てこよう!ということで足を運んできました。

場所は、会下山公園の西側、神戸電鉄有馬線の線路の南あたり。会下山公園の南側にある出入り口を出て、右手に300mほど進むと、家と家の間に突如現れます。

神戸は街中坂だらけで、特に垂水区や北区はとんでもない急坂に出くわすこともありますが、ここもかなりの急坂です。長さは40mほどでしょうか。

見てこの角度!

途中には1本道路が交差。階段があります。

スロープだけだと雨で濡れた時などには滑りそう。中央には階段も設けられています。

上から見るとこんな感じ。当然車は通れません。歩行者専用の道路です。ただ、両端のスロープがなんのためにあるかというと、単に自転車が通れるようにということだけではなさそう。

坂の上には、兵庫警察署と湊川町十丁目西部自治会による歩行者通路についてのこんな表示が。
「除く緊急車両及び許可車両」と。

再度坂の下に降りて地面をよく見ると、こんな銘板が埋め込まれています。
そこには・・・

へこたれん坂
兵庫区湊川町10丁目私道災害復旧助成工事
湊川町10丁目西部自治会住民一同
施工 石元石材工業株式会社
平成10年6月完成

と記されています。

なるほど。
どうやらこの坂道は、阪神淡路大震災の災害復旧事業で生まれたものということがわかりました。住民にお話を伺うと、震災時はこのあたりの多くの家屋は倒壊し、道路には瓦礫があふれ、緊急車両も通れないような状況だったそう。

そこで、震災の教訓を生かし、道幅を緊急車両が通れるまで拡げて、歩行者も楽に上れるよう中央に階段を設けた道路が市の助成により造られました。

坂の上は見晴らしいいですね。高低差は約18mあります。

「へこたれん坂」という名前は、単に急坂にへこたれるなということではなく、「震災にへこたれず、困難にも負けない」という住民の強い思いが込められた坂なのでした。

基本情報
名称:へこたれん坂
場所:兵庫区湊川町10丁目

「へこたれん坂」は、観光スポットでも展望台でもなく、一般の住宅地にある坂ですので、観光目的の訪問、夜間に訪れることはご遠慮ください。

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WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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