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台風3号は衰弱するも危険な低気圧に警戒を 関東甲信の梅雨入りの見立て

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風3号の雲の様子(ウェザーマップ)

台風3号は発達することなく衰弱する見込み

台風3号の予報円(ウェザーマップ)
台風3号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

きのう5月31日(月)午前9時、ミンダナオ島の東で発生した台風3号は、あまり発達することなく、フィリピン近海を北西方向に進んでいます。

タイトル画像をみても、台風3号に伴う雲頂高度の高い真っ白にみえる積乱雲はその中心の南西側に離れてまとまっており、中心付近を取り巻く雲はあまり活発ではない背の低い下層雲が主体の状態で、台風としては今後発達するような姿ではありません。

最新の予報円によると、今後も台風としてはギリギリの勢力でフィリピンの東端に沿うように北上し、3日(木)午後3時にはフィリピン北部のルソン島付近で熱帯低気圧に衰える予想です。

その後、熱帯低気圧に伴う湿った空気が沖縄付近の梅雨前線の活動をやや強める心配はありますが、本州付近に影響する可能性はほとんどなくなったと言えそうです。

ただその本州付近で3日(木)から4日(金)にかけて大雨や暴風などの大荒れとなるおそれが出ています。

本州付近は危険な低気圧で大荒れのおそれ

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

台風3号の影響ではありませんが、本州付近は3日(木)から4日(金)にかけて、低気圧が発達しながら日本海から北日本方面へ進むため、全国的に南風が強まるとともに、暖湿流も強まるため、太平洋側を中心に広い範囲で大雨となるおそれがあります。

コンピュータの計算では、3日(木)から4日(金)にかけての総雨量は、東海から九州の山沿いで200ミリから300ミリ程度となっている他、関東から北日本にかけても所々で100ミリ以上の計算が出ています。

また南風も強まりますが、特に発達した低気圧が近付く北日本は北海道を中心に暴風が吹き荒れるような大荒れとなるおそれがありますので、今後気象台から出される気象情報などに十分ご注意下さい。

関東甲信の梅雨入りは発表されるのか?

東京の16日予報(ウェザーマップ)
東京の16日予報(ウェザーマップ)

東海以西で記録的に早い梅雨入りの発表があったのが、先月(5月)15日から16日にかけてで、平年と比べて約3週間も早い梅雨入りとなりました。(速報値)

この時、関東甲信は梅雨入りの発表が見送られましたが、結果的には関東甲信と東海以西で、その後同じような天候経過をたどっています。

時は過ぎ、すでに東海以西の梅雨入り発表からは半月以上が経っていますが、上述したように3日(木)から4日(金)にかけては全国的にまとまった雨が降り、大雨となるおそれもあるため、ようやく関東甲信でも梅雨入りが発表出来るタイミングがきたのではないかと思われます。

ただ梅雨入りが発表されない(発表出来ない)懸念材料としては、来週の天気をみてもらうと分かる通り、再び梅雨前線の影響を受けづらくなるため、晴れ間の広がる日が多くなるということでしょうか。

関東甲信の梅雨入りの平年日は週明け7日(月)ですから、もし3日(木)から4日(金)の雨で梅雨入りを発表出来なければ、次に発表出来るタイミングの頃には平年よりかなり遅くなってしまうことも考えられます。

梅雨というアジアスケールの雨季に対して、いわば隣り合ったスモールスケールの東海や関東甲信で1か月も梅雨入りが異なるというのはどう考えてもナンセンスということになりますので、来週は比較的晴れ間が広がりやすい予想であったとしても、関東甲信の梅雨入りは発表されるのではないかと個人的には思っています。

ただこのあたりは気象庁の判断次第です。

なお、今の時期に発表される梅雨入りは速報値であり、後日夏の実際の天候などを考慮して、毎年9月の初めに確定値が出されています。これまでの状況からは、速報値と確定値ではかなり異なるケースが多々あります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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