食事時に新聞や雑誌を見たりテレビを見ている人の実情をさぐる
・朝食時にテレビも見ている人は男性17.1%、女性20.8%。
・夕食時にテレビも見ている人は男性23.5%、女性25.6%。
・食事時にスマートフォンなどのコンピューターの使用をする人は、昼食時に多い。男性9.0%、女性7.2%。
食事時には食事に専念するのが礼儀正しい作法だが、テレビを見ながらなどの「ながら行動」は一般化しているのが実情。総務省統計局の社会生活基本調査(※)の結果を基に、食事とテレビ観賞や新聞・雑誌の閲読などの関係を確認する。
次に示すのは食事をする際に、対象となる行動をいわゆる「ながら行動」としてしている人の割合。例えば朝食時の新聞・雑誌は男性で2.8%とあるので、全体として朝食をとる男性の2.8%は新聞や雑誌を見ながら食事をしていることになる。なお「コンピューターの使用」とは、パソコンだけで無くスマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末などを用いたインターネットの使用も含まれている。食卓にノートパソコンを持ち込んでタイピングをしながら食事をするだけでは無い。
恐らくはスマートフォンがメインであろう、コンピューターの使用は男性で3.8%、女性で2.5%。新聞や雑誌は意外に少なく、それぞれ2.8%・1.6%。テレビは多めで2割前後が見ている計算になる。テレビはともかく、コンピューターを使ったり新聞や雑誌を読みながら朝食をとる人はごく少数。
これが昼食となると状況が一転する。
昼食時に新聞や雑誌を読んでいる人はほとんどいなくなる。一方でコンピューターを使う人は男性で9.0%、女性で7.2%と大幅に増える。これは平日の職場で昼食をとりながら自分のパソコン端末やスマートフォンを操作する人がいるのが原因。行儀の善し悪しに目ざとい人もいないため、大いにながら活動ができる次第。テレビは朝食時と比べて減るのも多くの人が学校や職場にいるため。
夕食は多分に自宅でとることになるため、コンピューターの使用は昼食時と比べて低くなるものの、朝食よりは高い値。一人で夕食をとる人もいるためだろうか。他方、テレビを見ながらの人の割合は朝食よりも高くなり、約1/4に。テレビを見ながら夕食をとる人は大よそ4人に1人という計算になる。
食事の際の「ながら行動」は行儀が悪いとの問題に留まらず、注力が分散するために消化が悪くなるとの指摘もある。一方でテレビ閲覧のように今や日常に浸透した様式となったものもある。どのように対処するかは個々の認識に任せるしかあるまい。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。