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藤井聡太棋聖(18)に挑戦するのは誰か? ヒューリック杯棋聖戦本戦、これから開幕

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 藤井聡太棋聖(18)への挑戦権を争う第92期ヒューリック杯棋聖戦は二次予選が終わり、ベスト16の棋士が出揃いました。決勝(本戦)トーナメントはこれから始まります。

 藤井棋聖とともに現棋界で「四強」と言われるのは渡辺明名人(36)、豊島将之竜王(30)、永瀬拓矢王座(28)。まずはやはりこの3人が挑戦権争いの有力候補といえそうです。

 トーナメント表のもっとも右に名が記されているのは、前棋聖の渡辺名人(棋王・王将)。前期棋聖戦五番勝負では、若き藤井七段(当時)に敗れて棋聖位を失いました。

 渡辺名人が1回戦で対戦するのは斎藤慎太郎八段(27)。斎藤八段は現在、A級順位戦で名人挑戦権争いのトップに立っています。名人戦七番勝負も同じカードになるかもしれません。

 豊島竜王(叡王)は藤井棋聖との対戦成績が6勝1敗です。

 豊島竜王は先日の朝日杯で初めて藤井棋聖に敗れました。しかしそれでもなお、現棋界で唯一、藤井棋聖を圧倒している棋士と言ってよさそうです。もし豊島竜王が挑戦権に名乗りをあげれば、藤井棋聖にとっては最難敵の登場と言えるのかもしれません。

 表の最も左には永瀬拓矢王座。前期は挑戦者決定戦まで進み、そこで藤井七段(当時)に敗れています。

 永瀬王座と1回戦で対戦するのは、前最年少棋聖・屋敷伸之九段(49)です。

 屋敷九段は二次予選決勝で西山朋佳女流三冠(25)と対戦。その快進撃を止めて本戦に勝ち上がっています。

 棋聖通算16期のレジェンド羽生善治九段(50)は二次予選決勝で敗退。その羽生九段に勝ったのは、永遠のライバル森内俊之九段(50)でした。

 本戦最年長出場者は棋聖位通算6期で永世棋聖資格を保持する佐藤康光九段(51)。1回戦では前期ベスト4の山崎隆之八段(40)と対戦します。腕力抜群で力戦辞さずの両者の対戦は、どのような展開となるのでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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