魚の皮や廃棄ソファで作ったバッグは売れるか?「ごみは誰かの宝物になる」
フィンランド・ヘルシンキ発のファッションブランド「Lovia」。
余って捨てられる予定だったソファ家具の布地、廃棄予定だった魚や動物の皮などを使って、新しいカバンを作っている。
バッグの皮は、
- ノルウェーとアイスランドの養殖サーモン業者からの廃棄予定だった魚
- フィンランドの野生動物の頭数コントロールのために狩られたトナカイやヘラジカ
- ソファなどの家具作りで余った布地
五月に首都ヘルシンキで開催されていたイベント「ファッション・イン・ヘルシンキ」では、数多くのブランドが参加していた。
サーモンの皮からファッションアクセサリーを作ることができると、私は初めて知った。
調べてみたら、ほかの国にも似たようなビジネスをしている人がいた。
代表のオウティ・コルピラークソさんに取材をした。
ファッション業界で広がるエコロジカル・ムーブメント
ブランドは2014年、店は昨年3月にオープンした。
環境やサステイナブルなファッションへの社会の意識が高まっている中で、タイミングが良かったとコルピラークソさんは話す。
フィンランド人はエコへの関心高ければ、ファッションへのこだわりも強い。
「お客さんは環境に配慮したファッションを求めている。今ファッションビジネスを始める人にとっての、当たり前のスタンダードです」
「歴史やこれまでの習慣がある大企業のほうが、大きな変革に苦戦しているとも感じます」
小さなブランドのほうが、持続可能な変化に臨機応変だと話す。
仕事はごみ探し
エコバッグができた流れ
- レザー業界では何トンもの廃棄物が出ていた
- とりあえず、集めた
- 「さて、どうしよう」と考えた
- 「この素材を長期的に使うには?」
- 「バッグを作ろう!」と思いついた
廃棄処分の素材が集まるので、色や質は選べない。集まったゴミを「パズルのように」あわせて、商品にしていくのが彼女たちの仕事だ。
25~35歳の若い女性のお客さんが多いという。
「あなたの身の回りのものに、もっと敬意を」というのがブランドの志だ。
「ごみは、誰かにとっての宝物となります」とコルピラークソさんは微笑む。
あなたの手元にあるごみは、何かに再利用できそうだろうか?
ビジネスチャンスは、足元に転がっているのかもしれない。
Photo&Text: Asaki Abumi