CG美女はアンドロイドの夢を見るのか?
KNNポール神田です。
2Dのアニメ少女で萌えるというアニメの世界観とは別に、3DCGの現実に限りなく近い少女というのは、ある意味『脅威』に感じる人も多いだろう。しかし、限りなく存在しない理想の女性像を創り出すことができるようになってきた。しかし、今度はその3DCGのSayaにリアルなモデルの高山沙織さんが似せてきたのだ。
そう、アンドロイドやロボットの持つ、人間に似ているけれども、どこか人間に似ていない『不気味の谷』を越えてだ。
高山沙織さんのTwitterより
こちらが、3DCGで作成されたSaya
確かに似ている…。 それが、実際のイベントの現場ではさらに、人間の脳は、アンドロイドとレプリカントの存在に心が動く…。
3DCGの美女にリアルな美女が似ていると話題になる…
きっかけは2017年の東京ゲームショー
そしてこのアンドロイドから、ウェブCMでのアンドロイド役のオファーがきたそうだ…。
ジャックス公式チャンネル 『2042年のクリスマス』でアンドロイド役
アンドロイドというメタファーだけでなく、リアルなモデルとしての顔はInstagramでわかる。実際のモデルさんだ。
https://www.instagram.com/saotvos/
そしてユニークな実験がこちらだ…。
なかなか興味ぶかい反応のようだった。
『不気味の谷』を越える何か?
ロボットテクノロジーで限りなく、人間に近づくロボット。あとは「心」をインストールできれば、一瞬では人間と見分けがつかないアンドロイドになりえる。人間とロボットの間にある、『不気味の谷』を乗り越える瞬間はきっとやってくることだろう。それが、何かというと、人間以外の何かを、人間が察知する能力を持っているからだろう。
ちょっとした視点の交わし方、表情、トークの間合い。それがリアルな人間のハードウェアを持ったならば、一気に「不気味の壁」を超えることができる。高山沙織さんのアンドロイドモデルがそれである。実際にホログラムや3DのCGでなく生きているアンドロイドのふりをしているSayaさんはどこか安心できる。
綾瀬はるかさんの、『ボクの彼女はサイボーグ』にも同じことがいえる。無表情なアンドロイドに扮した人間だからだ。
ロボットが見事にダンスをするよりも、人間がブレイクダンスで、ロボットダンスをしたほうがユーモラスに見える。そう、人間がロボットやサイボーグ、アンドロイドに似せるのは『不気味の谷』を感じにくい。一方、その逆は、なかなか難しいと思っていた…。
3D CGのAIアイドルやVtuberが活躍する時代
データグリッド(代表:岡田侑貴 京都市)の発表した『アイドル生成AI』は、AIが架空のアイドルを自動生成してみせてくれる。アイドルのパーツをAIが学習し、新たなアイデルをAIが生成するのだ。
大量にメディアに露出されるアイドル。AKBから乃木坂、モーニング娘。からの大量アイドル導入で、自分が好きなメンバーが必ず存在するという構図だ。さらにそのパーツで創造された理想の自分のアイドルのハードウェアが作れる時代になるのだ。そこに、人間がサポートして声や動きを加えるとしたら、実際に触れることは難しくても、かなり実現可能な本当のヴァーチャルアイドルが生成されるのだ。
一方、自分が顔出しするリスクよりも、ヴァーチャルアイドルのきぐるみでのYouTuberもふえてきている 。テクノロジーの進化は誰もがVtuberになれる機会を提供することだろう。
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そう、近未来のアイドルは、自分の好みを完全にAIが分析してくれ、Vtuberが演じてくれる…いや、仮想アイドルとの婚活サイトやデートクラブなんて存在も考えられ、VR空間の桃源郷でさまようという本人にとっては、ユートピアのような、ディストピアな世界がやってくるのかもしれない。
VRの世界で3DCGによるリアルな英語教師の登場
神戸で20年にわたり英語教室を営む KAHUAさんは、個人レッスンをOcurusGoを使って日本で最初に開始した。
講師のKAHUAさんは、アバターの姿ではあるが、声は本人でライブでレッスンを行う。メリットは移動時間と場所の制限を受けないこと。実際にフェイス・トゥ・フェイスである必要もなく、カメラに向かう必要もない。
大手のイーオンもVRによるレッスンを開始している。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1707/19/news083.html
VR空間はリアリティ以上に、「移動」にかかる時間とコストを解消してくれる。
さらにAIが自動生成したアイドルはコストはますます安くなる。歌って踊れるのも時間の問題だ。
シンギュラリティ紀元前の、20世紀にはいり1/5経過しようとする現在、スマートスピーカーの登場でAAI音声との会話にも慣れてきた。窓口業務もAIで対応できる時代になろうとしている。
ロボットやアンドロイドのアイドルに、真剣に恋をし、多様性としてロボットとの婚姻関係というのLGBTの拡張で、もしかすると認められる時代がやってくるのかもしれない。
どこまでが人間でどこからが人間でないのか…。そして、ロボットの権利やアンドロイドの権利もそろそろ考えておく必要がありそうだ。