野菜ジュースは意味ない?効果的な飲み方と注意点を管理栄養士が解説
野菜不足を感じている方にとって魅力的なのが「野菜ジュース」簡単に栄養補給できるお役立ちアイテムです。しかし、野菜ジュースを活用する上では注意点があります。
この記事では、知っておきたい野菜ジュース摂取のポイントと、野菜の摂取量を手軽に増やす方法をお伝えします。
野菜ジュースは万能ではない!知っておくべき3つの注意点
野菜ジュースは、手軽に栄養を補うのに活用できます。ただし、野菜ジュースを飲んでさえいれば健康という訳ではありません。以下の3点には注意が必要です。
カロリーのとり過ぎに注意する
野菜ジュースは200mlの紙パック1個で、30〜80kcal程度のカロリーがあります。特に果汁入りの商品は糖質が多く、カロリーが高めになる傾向があります。
野菜ジュースに限らず、飲み物のカロリーは見落とされやすい傾向があります。しかし、飲みすぎると着実にカロリーオーバーが蓄積されていきます。「野菜ジュース=身体に良い」というイメージで飲みすぎないよう、ダイエット中の方は特に注意しましょう。
ジュースではとりにくい栄養素がある
野菜ジュースの製造過程で、一部の栄養素が失われてしまいます。特に食物繊維とビタミンCは、野菜ジュースではとりにくい栄養素の代表です。食物繊維は搾りかすに残り、ビタミンCは熱に弱いため、加工中に失われやすいのです。
そのため、1日分の野菜の摂取目標量(350g)を使って作った野菜ジュースを飲んでも、それらに含まれる栄養素をすべて摂取できるわけではありません。
野菜を「噛む」メリットが受け取れない
野菜の多くは噛みごたえがあります。よく噛んで食べると満腹感が得られやすいだけでなく、脳内の物質によって内臓脂肪の分解が促進される、唾液が分泌され消化を助けるなどの効果があります。
野菜ジュースにはこれらの効果は期待できないことも、野菜ではなく野菜ジュースを飲むことのデメリットであるといえます。
野菜ジュースの正しい活用法
野菜ジュースを上手に活用するには、以下のポイントを押さえましょう。
①1日1本程度を目安に
野菜ジュースは、1本(200mL)で野菜100g分を摂取したものと換算できます。ただし、1日の野菜摂取量のすべてを野菜ジュースで摂取するのは、先述の2つの点よりおすすめできません。
野菜ジュースは「あと1皿分の野菜」の代わりになるものと考え、1日に200mL程度を目安にするのがよいでしょう。
②果物より野菜が多いものを選ぶ
野菜ジュースの中には、果物が多く含まれているものもあります。野菜摂取の代わりにするなら、できるだけ野菜を多く使っている商品を選ぶことをおすすめします。
野菜ジュース以外で野菜不足を解消する方法
野菜ジュース以外にも、手軽に野菜を摂取する方法はあります。
・自炊ではカット野菜をプラスする
・きゅうりやミニトマトなど、生で食べられる野菜を取り入れる
・みそ汁に野菜をたくさん入れる
・レトルトカレーや冷凍パスタ、インスタントスープなどに冷凍野菜をトッピングする
・外食でサラダバーのあるお店を選ぶ
・定食で小鉢を追加する
・コンビニで具だくさんの汁物や小鉢を買う
1日の野菜摂取の目標量350gは、生野菜で両手に3杯分、料理では小鉢6皿分が目安です。まずは1日1皿から増やしてみましょう。
野菜ジュースは栄養補給に便利なツールですが、万能ではありません。野菜そのものの摂取を増やす工夫もしながら、適度に取り入れましょう。
【参考】
農林水産省「みんなの食育」
農林水産省「実践食育ナビ」