西進台風11号沖縄へ 大東島では住宅倒壊のおそれも
非常に強い勢力の台風11号は、8月30日(火)午後6時には、沖縄の南大東島の東北東の海上にあって、1時間に30キロの速さで西へ進んでいます。高気圧に北上を阻まれ、さらに南の海上にも熱帯低気圧があり、現在台風は西へ西へと進んでいます。
中心の気圧は935ヘクトパスカル、最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで暴風域を伴っています。フィリピンの東から沖縄近海にかけての海面水温は、30度前後と高くなっています。
台風は今後も発達しながら西へ進み、31日(水)には猛烈な勢力で那覇市の東南東の海上で920ヘクトパスカルとなる予想です。
31日の朝から昼前に大東島地方にかなり接近し、その後、発達しながら南西へ進み、31日から9月1日(木)頃にかけて沖縄本島地方に接近する見込みです。また、3日頃にかけて、沖縄の南で動きが遅くなる見込みで、長時間台風の影響を受けるおそれがあります。
大東島通過後は本島地方、先島諸島でも暴風、大雨、高波、高潮に厳重な警戒が必要です。
今回の台風接近に伴い、沖縄気象台では記者会見を開き、厳重な警戒を呼び掛かけています。沖縄気象台の記者会見は2020年9月の台風10号以来となります。
近年の西進台風 複雑な動き(2018年台風12号)
過去にも沖縄付近で西に進んだ台風があります。
2018年7月24日午後9時に南鳥島近海で発生した台風12号は、28日に三宅島付近を西北西へ進み、29日午前1時に三重県伊勢市に上陸しました。その後、中国地方や九州地方に再上陸し、南下しながら熱帯低気圧に変わりましたが、再発達して台風となり、8月2日未明に沖縄地方に最接近するコースとなりました。
この台風12号は、種子島・屋久島付近や東シナ海で複雑な動きをした後、さらに西よりに進み、華中に上陸しています。
台風接近時の沖縄地方の最大瞬間風速は、那覇で南西の風19.0メートル、名護で西南西の風18.6メートル、久米島で西の風17.4メートルを観測しています。また、7月30日午前0時から8月4日午前0時までの降水量は、那覇で54.5ミリ、名護で49.5ミリ、久米島で54.0ミリとなっています。
過去に最大瞬間風速70メートル以上を観測した台風被害
今回の台風11号の接近に伴い、大東島地方は、31日は最大瞬間風速70メートルを予想していますが、過去に沖縄を通過した台風では各地で大きな被害が出ています。
大東島地方では、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹き、記録的な暴風となるおそれがあります。風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒してください。
新たな台風も発生見込み
台風11号のさらに南の海上には熱帯低気圧があって、台風に変わる見通しです。
沖縄では、影響がさらに長引くおそれもあり、今後の情報に警戒が必要です。
【資料:沖縄気象台】