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18歳から23歳ウクライナの"ヤング・ドローン戦士"「手作り神風ドローン」でロシア軍を攻撃

佐藤仁学術研究員・著述家
(ウクライナ軍提供)

民生品ドローンに爆弾装着「ウクライナの国民を護るために戦っています」

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。

2022年10月にはロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」でウクライナの軍事施設や民間施設を攻撃している。

ウクライナ軍では小型民生品ドローンに爆弾を搭載してロシア軍の標的に突っ込んで爆発する「神風ドローン」も開発して使用している。

そして英国メディアのザ・スカイニュースがウクライナ軍の「神風ドローン」を自作して、操縦して攻撃まで行っていたりする若者の部隊を紹介していた。18歳の少年が半田ごてで爆弾を民生品ドローンに装着していたり、23歳の女性が神風ドローンのオペレーションを行っていたりする様子を伝えていた。"ヤング・ドローン戦士(Young Drone Warriors)"と紹介されている。

彼らは小型の民生品ドローン1機ごとに爆弾を接着剤で装着して作っている「手作り神風ドローン」なので「シャハド」のようなブランド名はない。ロシア軍にわからないように秘密の狭い部屋でドローンを作り、ドローンを操縦してロシア軍の軍事施設や塹壕を上空から検知し、ロシア軍の標的に突っ込んでいき攻撃して爆発している。「ロシア軍がこの秘密基地を探しているのでは?」との問いに若者2人がため息交じりに「あらゆる危険があります」と困惑しながら語っていた。

23歳のアンナは「私たちはウクライナの文化、歴史、自由、統治権、ウクライナの国民を護るために戦っています」とコメントしていた。

▼ウクライナの若者が神風ドローンを自作し、操縦して攻撃(英国メディアのザ・スカイニュースより)

標的にドローンごと突っ込んでいくタイプの攻撃ドローンは「Kamikaze drone(神風ドローン)」、「Suicide drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze strike(神風ストライク)」とも呼ばれている。標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンの名前に「神風」が使用されるのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン(Kamikaze Drone)」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。

今回のウクライナ紛争で「神風ドローン」は一般名詞となり定着している。ウクライナ語では「Дрони-камікадзе」(神風ドローン)と表記されるが、ウクライナ紛争を報じる地元のニュースでもよく登場している。イラン政府がロシア軍に提供した攻撃ドローン「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」がいわゆる神風ドローンであることからメディアでも多く取り上げられて世界中でいっきに知名度を上げた。ウクライナ紛争を報じる地元のニュースで耳にしたり目にしたりしない日はない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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