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「正月太り」?「リンゴ酢」をお試しあれ。12週間で7 Kg減量も。食べる量が減り、太りにくくなる?

黒澤恵(Kei Kurosawa)医学情報レポーター
作者: Dreamydays

お正月休みも残り少なくなってきました。週明けから仕事という方も多いでしょう。

さて年末年始、美味しいものを食べてゆっくり過ごし、心身ともにリラックスできたのは良いとして、怖いのが「体重」。「正月太り」という言葉があるくらいですから、体重の増える人が多いのでしょう。

そんな「正月太り」におすすめなのが、「リンゴ酢」(アップルサイダービネガー)。

つい最近、医学的に減量効果が証明されたのです。12週間で最大7kgの減量幅でした。

調べたのは、カスリク精霊大学(レバノン)のロニー・アブー・ハリル氏たち。

論文が掲載されたのは、英国医師会雑誌(British Medical Journal)の兄弟誌「BMJ栄養・予防・健康」という学術誌 [文末文献1] 。掲載日は2024年12月28日です

簡単にご紹介しましょう。

起き抜けに250 mLの水に溶かしたリンゴ酢を飲んでもらった

ハリル氏たちは、過体重(太り過ぎ)か肥満だった青少年120人を集め、リンゴ酢を飲む群と、味と風味をリンゴ酢そっくりに加工した水(プラセボ [偽薬])を飲む群に、くじ引きで割り振りました(ランダム化)。

プラセボを使うのは「思い込みによる効果」を差し引いて「本当の効果」の大きさを評価するため。

くじ引きで分けると人為性を排除できるので、どちらかの群が有利になる可能性はなく、その結果、信頼性の高い比較ができます。

「リンゴ酢」群はさらに1日摂取量別に「5」「 10」「15」 mLの3群に分けられました。どの群も250 mLの水に溶かして、起床後、朝食前に飲みます(飲むタイミングはプラセボ群も同じ)。

12週間で4〜7 kgの減量。腹囲も3 cm縮小

これを12週間続けたところ、プラセボ群では体重に変化はありませんでした(朝、水を飲むだけでは体重は減らない)。

一方、リンゴ酢群の体重は「5 mL」群で「4 kg」、「10 mL」群と「15 mL」群ではどちらも「7 kg」、摂取開始前(12週間前)に比べて減っていました

さらに体重は、摂取期間が長くなるにしたがい、減り続けていました。少なくとも12週間ではリバウンドしなかったことになります。

さらに嬉しいことに「腹囲」も、プラセボ群では12週間で何の変化もなかったのに対し、リンゴ酢群ではすべて、3 cm減少していました。

またリンゴ酢摂取による悪影響は(少なくとも12週間では)観察されませんでした。

こういう安全性も大切ですよね。

さて、ではなぜ「リンゴ酢」を飲むと体重が減るのでしょう。

医学的には「摂食抑制」と「抗肥満」が示唆されている

ハリル氏たちは過去の動物実験から、リンゴ酢にたくさん含まれている「酢酸」が、次のような作用をしているのではないかと考えています。

 ・食欲抑制

 ・満腹ホルモンの分泌促進

     (「満腹」と感じるのが早くなる

 ・体内での糖や脂質の生成を抑制

つまり、「食べる量が減る」だけでなく「同じ量を食べても太りにくい」ということです。

なかなかおいしい話ではないでしょうか?

たとえ正月太りしていなくても、(少し気が早いですが)春服に備えてスリムな体を目指すのもありでしょう。

習慣にするのも簡単

今回の試験で検討された250 mLの水といえば、一番小さなペットボトルとほぼ同じ量。そこにリンゴ酢を溶かして起き抜けに飲むだけです。

朝の習慣にするのも難しくはなさそうです。

ぜひ、お試しを!

食事と体重については、次のような論文紹介記事も書いています。こちらもぜひ、お読みください。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

ではまた!

今回ご紹介した論文

  1. 朝食前リンゴ酢12週間で最大7 kgの減量

本記事は医学論文の紹介です。データの解釈は論者により異なる場合もあります。またこの論文の内容を否定する論文が存在する可能性も皆無ではありません。あくまでも「参考」としてご覧ください。

医学情報レポーター

医療従事者向け書籍の編集者、医師向け新聞の記者を経てフリーランスに。15年以上にわたり新聞社系媒体や医師向け専門誌、医療業界誌、会員向け情報誌などに寄稿。近年では医師向け書籍も共著で執筆。国会図書館収録記事数は3桁(含筆名)。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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