二つの「民主党」に戸惑いの声 衆院選比例代表 立憲民主と国民民主が同じ略称
衆院選(27日投開票)の比例代表で、立憲民主党と国民民主党の略称がともに「民主党」となり、有権者から戸惑いの声が上がっている。公選法は同じ略称の使用を禁じておらず、両党の有効票に応じて割り振られる。1票を確実に届けるため、専門家は正確な名称で投票するように呼びかけている。 【写真】投票所の記載台に張られている比例代表の届け出政党の正式名称と略称 旧民主党の流れをくむ両党が同じ略称を使うのは2021年衆院選、22年参院選に続き3回目。21年衆院選では広島県内で「民主党」と書かれた票が5万3199票あった。双方の有効票の割合に応じて案分され、立憲民主党に4万4018票、国民民主党に9180票が振り分けられた。 今回の衆院選の期日前投票を済ませた広島県東広島市の有権者は「略称がどちらも民主党になっていた。重大なミスではないか」と戸惑ったという。誤解を招きかねない表記に困惑する声は他にも出ている。 総務省によると、「立憲」「国民」と記載した場合は案分されず、有効票になるという。選挙制度に詳しい神戸大大学院法学研究科の品田裕教授は「政党間で選挙までに略称の問題を解消するべきだった。1票を目減りさせないためにも有権者は、はっきり分かる名称を書いてほしい」と話している。
中国新聞社