完全に無地? ライフカードの新デザインが話題に
003520536月1日、ライフカードが発表した新デザインでは、ロゴなどを徹底的になくした「無地」を採用したことで話題になっています。
なぜこのようなデザインを採用するに至ったのか、発行会社に聞いてみました。
クレカ券面がついに「無地」に
クレジットカードには券面に番号や名前、有効期限などが書かれているのが通例でしたが、最近ではナンバーレスなどシンプルなものが増えています。
完全ナンバーレスはまだ少ないものの、裏面にカード番号などの情報を集約することで、表面のデザインの自由度を高めたものが出てきています。
これはスマホの普及とも無関係ではなさそうです。アプリでカード番号を確認できるようになったことで、番号を記載する必要性は下がっています。
また、カード番号を他の人に見られる心配が減るというセキュリティ面や、自分のお気に入りのカードをSNSにアップできることをメリットに挙げるカード会社もあります。
とはいえ、いくらシンプルとはいっても、さすがに自社のロゴやカードの名称くらいは残しているカードが多い中で、ライフカードは完全に無地を採用しています。
本当に無地なのでしょうか。画像では無地に見えるものの、実はうっすらとロゴなどが描かれているのではないか、とも思ったのですが、ライフカードの広報によれば本当に無地とのこと。
狙いとしては、「カードを無地のキャンバスに例え、これから何にでも染まれる・自由な発想や行動へと繋がっていってほしいと願いを込めた」としており、4月に就任した増井啓司社長が取り組んできたプロジェクトといいます。
裏面にはカード番号、有効期限、名前、サポートの連絡先などの情報が集約されています。
ちなみに、他社の事例では「Visa LINE Payクレジットカード」が自社のロゴやサービス名を入れない無地を採用していたものの、表面にはカード利用者の名前が入っていました。
ライフカードによれば、国際ブランドはVisa、Mastercard、JCBの3つに対応。いずれもロゴは標準的なものを採用しており、色味を変えるようなことはしていないそうです。(記事公開後に更新されたライフカードのWebサイトによると、JCBとVisaの最終的なカードデザインは以下の画像のようになったとのことです)
また、Mastercardブランドの券面はプレスリリースの画像の通りですが、VisaとJCBブランドではタッチ決済に対応していることから、券面にリップルマーク(電波のようなマーク)が入るとのことです。
「無地=ライフカード」?
ライフカードの新デザインを予備知識なしに見てみると、ICチップと国際ブランドのロゴがあるから、クレジットカードであることは分かります。
ただ、シンプルなデザインのカードを見慣れていない店員さんなどは、「本物」のクレジットカードなのか疑ってしまうかもしれないのは気になるところです。
いずれにしても、カードの裏面を見ればライフカードのロゴがあるので、何のカードなのか分からなくなるということはないでしょう。
次に、Apple Payはどうでしょうか。ウォレットの画面にはカードの画像が重なって表示されるため、各社はカードの上部でアピールする傾向にあります。
板カードにロゴを記載しなかったVisa LINE Payクレジットカードの場合も、ウォレットの画像では上部にロゴなどを表示することで見分けがつくようにしています。
しかしライフカード広報部によれば、ウォレットの画像はカードの券面と基本的に同じものとのこと。既存のユーザーについても6月12日以降に切り替わる予定としています(カードの発行は6月14日以降)。
Apple Payの仕様として、左下に番号の下4桁は表示されますが、ウォレットの画像が真っ白、あるいは真っ黒になると何のカードなのか見分けがつきにくくなる恐れはあります。
ただ、他に無地のカードは存在しないという前提に立てば、「何も書かれていないのがライフカード」と見分けられます。これはかなり思い切ったブランディングといえそうです。
もし、他にも完全に無地のデザインを検討しているカード会社があったとしたら、ライフカードに先を越されたことで頭の中が真っ白になっているかもしれません。