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秋篠宮殿下の苦悩 眞子内親王殿下のご結婚について心情を吐露

山下晋司皇室解説者
農林水産祭での秋篠宮同妃両殿下 2018年11月2日 毎日新聞社/アフロ

秋篠宮殿下が11月30日に53歳の誕生日を迎えられた。

例年どおり秋篠宮邸で、秋篠宮同妃両殿下の記者会見が行われた。

記者会見の全文は宮内庁ホームページに掲載されるだろうから、そちらをご覧いただきたい。

今回のご発言で各メディアが注目するのは次の二点だろう。ともに秋篠宮殿下のご発言である。

ひとつめは眞子内親王殿下のご結婚について「報道されていることについて、小室家としてきちんと説明し、多くの人が結婚に納得し、喜んでくれる状況を作ってほしい。そういう状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできない」といった主旨のことを仰った。

ふたつめは大嘗祭について「大嘗祭は皇室の行事として行われるもので、宗教色が強いものになる。それを国費でまかなうことはおかしい」といった主旨のことを仰った。

ふたつとも今年8月に既に報道されていたことである。

眞子内親王殿下のご結婚に関しては、8月8日の朝日新聞の朝刊1面に

「『納采の儀、現状では行えない』 秋篠宮ご夫妻、小室さんに」という見出しで報じられた内容と同じだった。

大嘗祭に関しては、8月25日の毎日新聞の朝刊28面に

「大嘗祭『公費避けるべきでは』 秋篠宮さまが懸念」という見出しで報じられた内容と同じだった。

ともにスクープといえる記事だったが、今回の記者会見でこのふたつの記事を秋篠宮殿下ご自身が追認されたということになる。

眞子内親王殿下のご結婚に関して、筆者は当たり障りのないご回答をされるのではないかと思っていたが、予想に反して、正直なお気持ちを述べられた。

女性皇族の結婚は男性皇族と違い、皇室会議の議を経る必要もなく、いわばプライベートの扱いになっている。法的には、ご本人が結婚したいと思えば自由にできるということである。

一方、皇室経済法の規定により、皇籍離脱に伴って、国から結婚後の品位を保つための一時金が支給されることになっている。ただ単にお金をお渡しするということではなく、品位保持という紐付きのお金になる。我々と同じ一般国民におなりになるのに、元皇族は国から品位を求められるということである。

この考えは皇室に対する国民感情を考慮したものだろう。ただ、国民感情は時代と共に徐々に変わっていくものであり、数字で表せるものでもないので判断が難しい。

今回の秋篠宮殿下のご発言は、娘を思う父親の気持ちが入っているのは当然だが、国民感情をかなり意識しておられるものと思われる。

娘には自分で選んだ人と結婚させてやりたい、しかし、皇族であるがゆえに多くの国民が祝福する結婚であってほしいというお気持ちだろう。

両殿下が同じお考えでいらっしゃるということはないと思うが、お二人とも精神的にかなり追い詰められておられるのは間違いない。

両親として、そして皇族としてのお二人の苦悩はお気の毒としかいいようがないが、当事者である小室圭さんは将来の義理の両親となる予定のお二人のこの苦悩をどう捉えているのだろうか。なにか行動を起こすのか、それとも今までどおり何もせず、米国でただ勉強を続けるのか。

来年は陛下の御在位30年、両陛下のご結婚60年、そして新天皇即位という慶事が続く中で、この話題が常に水をさすのだろう。何とかならないものだろうか。

もうひとつの大嘗祭に関するご発言については、また別の機会に書かせていただく。

皇室解説者

昭和31年 大阪市生まれ、関西大学卒。20数年の宮内庁勤務後、平成13年に退職。宮内庁では昭和63年~平成7年まで長官官房総務課で報道を担当。昭和天皇の崩御・大喪の礼、平成の即位の礼・大嘗祭、秋篠宮殿下の結婚、皇太子(現在の天皇陛下)の結婚などの諸行事を報道担当として経験。平成時代の天皇皇后の中国訪問、米国訪問及び皇太子(現在の天皇陛下)のモロッコ・英国訪問に報道担当として同行。宮内庁退職後は出版社役員を経たのち独立。独立後は、BSテレ東・テレビ東京「皇室の窓スペシャル」の監修のほか、週刊誌・テレビなど各メディアでの解説、記者勉強会の講師、書籍・テレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている。

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