アンバサダーだから知ってるワークマンの秘密6個を暴露します
どうもアイキョウです。
今日はワークマンの秘密をお話ししたいと思います。
数年前からワークマンのアンバサダーとして活動していますが、それ以前もウェブメディアなどで製品を取り上げたりしていたので、付き合いは10年近くになります。
当時取材対応してくださった方たちはメディアで四天王とか言われて偉い人になったので色々と内部情報を聞くこともあります。
今日はそんな中でも世間に発信できるものをお伝えしたいと思います。
ライダー用イージスがライムグリーンの理由
ライダー用のイージスがライムグリーンという事に納得がいかない人も多いはず。僕もその一人です。だから今年企画部に強くお願いしてブラックを販売してもらいました。
ライムグリーンを作った後の余力で作ってもらったので、大量生産することができず、欲しい人の手元に届けられず批判もたくさんいただいてしまいましたが、企画者としてはお届けできず悔しく思っています。
じゃあなぜライダー用イージスがライムグリーンなのかというと、過去のデータでライムグリーンが一番売れていたからなんです。
2012年に今の専務の土屋さんが入社していらい、データ経営を徹底して掲げています。当時のワークマンはデータ活用が全くされておらず、店舗にある在庫数すら把握できていない状態だったそうです。
現在はデータ分析を徹底していて、その結果でカラーなどは決定しているそうです。ただ今回黒の販売を行ったことで需要があることは伝えられたと思うので、来年に期待したいところです。
ワークマンの製品が安い理由
大きな理由は3つ。閑散期オーダー、ボリュームディスカウント、安い国で作るです。
これら3つは全商品に当てはまるわけではありませんが、特にキャンプ用品は工場が暇な閑散期にオーダーを入れることで価格交渉をしているようです。
次にボリュームディスカウントですが、ワークマンは最低でも1万着程度は製品を作っていて、ワーク用の製品は5万とか10万とかの事もあるようです。
そのため生産工場はワンシーズンまるまるワークマンの製品を作るために生産ラインを確保することもあります。
1000着作るのと10000着作るのでは工場の見積もりは変わってきます。生産数を多くすることで仕入れ価格を下げているんです。
3つ目は安い国で作るという事です。少し前まで中国は世界の工場と言われることもありましたが、今では人件費、原材料費共に高騰しています。
そこでワークマンのバイヤーが世界各国を周り単価が安くクオリティを高く維持できる工場を探し回って生産させています。
例えばメリノウールのインナーは中国、防水防寒のイージスやマシュマロレインシリーズなんかはミャンマーで作られています。
国によって得意な加工技術が違うので、そのあたりもうまく取り入れているように思います。
追加生産や受注生産をしない理由
受注生産のフローは製品の仕様、デザイン、価格などをユーザーに伝えるかたち。
ただワークマンの場合、大量発注をかけることで価格を下げているので、受注数が1000とか5000では価格を下げることができません。
受注生産というのは生産数が少なく、高単価な製品でできる事であって、大量生産の製品でできる販売モデルではないんです。
次に追加生産しない理由ですが、これも発注数の問題です。初めに1万着作って売り切れ。ユーザーからの欲しいという声が多いから追加生産する場合、1000着、5000着だったら価格が変わってきてしまいます。
ユーザーは安いワークマンの製品が欲しいのであって、追加生産で高くなった同じ仕様の物を欲しがりません。
ワークマンの製品が品切れする理由
これは大きくわけて2つあります。一つは在庫を残さない数を作ることで単価を下げている事。もう一つは商品数が多いので代替商品があるという事です。
アパレル製品などの場合は、年に数回のバーゲンセールで商品の大幅値引きが行われます。
ワークマンの場合も、在庫が残った場合に在庫処分価格で販売することはありますが、所謂バーゲンで売り切りという手法を行っていません。
アパレルの場合、製品を製造する際にバーゲンで値引きすることを想定して価格を決定していると思いますが、ワークマンは想定していないので初めから価格を限界まで引き下げているんです。
そのためセールで大幅に値引きして在庫をさばききるという手法ができません。売り切れるであろう数しか作れないという事です。
次に商品点数ですが、例えばユニクロやGUと比べてワークマンの製品点数は倍以上あります。
それに対して店舗面積に関してはアパレル店舗と比べて狭いので、店舗によっては全ての製品を陳列することができません。
そのため入荷した商品から展示して、売れてスペースが空いたら別の商品を入れるという流れになっています。
ワークマンの冬ジャケットで考えてもバズヒート、フュージョンダウン、フレイムテック、アルティメイト、イージス、イージスダウン、マシュマロレイン、ディアライト、イナレムなどアウターにできるシリーズがこれだけあります。
店舗としては在庫を残したくないですし、在庫が切れても他の製品でフォローできるので、売り切れた商品の再発注をかけないんです。
製品は何度か入荷する
ワークマンの店舗は基本的にフランチャイズがメイン。フランチャイズというのはワークマンの看板と製品を借りて、他の会社が事業を行う事を言います。
そのため基本的に店舗が製品の発注数を決めています。国内のワークマンの物流倉庫は3ケ所あり、配送車が毎日店舗を回っています。
発注は初期発注だけでなく、物流倉庫にあれば追加することもできるので、例えば防水防寒製品が不足してきた際などは発注をかけることができます。
一度店舗に行ったらなかったとしても再入荷する可能性はあります。
一番良いのはひいきにする店舗を決めて、何度も通って店員さんと仲よくなっておくことです。
そうすれば会話の流れ再入荷の有無やタイミングなどを確認することができるはずです。
通販サイトの品ぞろえが少ない理由
前述したようにワークマンの店舗は基本的にフランチャイズです。自分が店舗の店長だったとして、ワークマンが通販に力を入れ始めたらどう思うでしょうか?
便利な通販サイトの売り上げが伸びて、店舗での売り上げが落ちたらたまったものではありません。
ユニクロは直営店797店舗、フランチャイズ10店舗なのに対して、ワークマンの店舗数は1009店舗。フランチャイズ店舗の正確な数はわかりませんが、比率としては95%フランチャイズとなります。
またワークマンのフランチャイズ継続率は99%。データも公表されています。これから直営店比率がいきなり高くなることはないでしょう。
店舗にお客さんを誘導したいワークマンとしては、通販サイトとして品ぞろえの強化するのではなく、お客様を店舗へ誘導するための施策を強化していく方針です。例えば店舗での商品取り置きサービスや店舗在庫が見れるようにすることに力を入れていきます。
ただこの前のイージスブラックのような限定商品などは通販サイトなどで取り扱いされるかもしれません。
実はあれも仕組みとしてはお客様が購入すると近隣店舗で受け取りする仕組みになっていて、フランチャイズ店舗に売り上げが入る仕組みになっていました。
ワークマンの店舗重視の仕組みは早々変わることはないと思うので、基本的にワークマンのECサイトはカタログぐらいに思っておいても良いかもしれません。