台風10号は統計史上最強クラスの940hPa程度で上陸のおそれも
940hPa程度で上陸のおそれも
台風10号は、きょう27日(火)に入ってから急発達していて、正午現在の中心気圧は950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い台風となっています。今後はさらに発達し、あす28日(水)正午のピーク時には、中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルとなる予想で、ほぼその勢力を維持しつつ、あさって29日(木)午前9時には九州南部に近づく予想です。
九州南部付近に達する頃の中心気圧は940hPa程度と予想されていて、後述しますが、統計史上最強クラスでの上陸の可能性も出てきました。九州南部や奄美の最大瞬間風速は65メートルから70メートルと予想されていて、これは一時期、ニュースとなった”関空台風”を上回るような烈風が吹くおそれがあります。
九州南部を中心に、猛烈な風や猛烈な雨が降り、線状降水帯が発生しやすくなる気象条件ともなります。高波、高潮なども含めて、厳重な警戒(最大級の警戒)が必要です。
統計史上最強クラスでの上陸も
上図は気象庁が発表している上陸時(直前)の中心気圧が低い台風のランキングです。統計のある1951年以降、940hPa未満で上陸した台風は、わずかに4個しかありません。また5番目の勢力として940hPaでの上陸が7個となっていて、おととし2022年9月に鹿児島市付近に上陸した台風14号も940hPaでした。
今回の台風10号が940hPaで上陸すれば、おととし2022年の台風14号と並び、統計史上5番目に低い勢力での上陸となり、もし940hPaを下回ったままでの上陸となれば、1993年の台風13号以来、31年ぶりの記録となります。いずれにしても940hPa以下での上陸となれば、統計史上最強クラスでの上陸といっても過言ではありません。
猛烈な雨と風に最大級の警戒を
上図は台風10号が鹿児島県に最接近していると予想されるあさって29日(木)午前6時の雨や風の予想です。鹿児島県を中心に、猛烈な風や雨が予想されていて、湿った南東風の吹き付ける宮崎県の山沿いでも、かなり雨量が多くなる計算です。
72時間で1300ミリ以上の計算も、経験がない大雨に
最新のコンピュータによる30日(金)午後3時までの72時間の予想雨量では、九州や四国の南東斜面で特に多くなっていて、800ミリ以上の紫色が出現しています。なかでも宮崎県の山沿いでは1000ミリから1300ミリ以上もの大雨が計算されている所があります。
上図右側はこれが何年に一度程度の大雨になるのかを計算したものですが、50年あるいはそれ以上に1度しか発生しないような紫色の大雨が宮崎県の山沿いを中心に予想されていて、まさに経験したことがないような大雨に見舞われるおそれがあります。大雨に関していえば、土砂災害や大河川を含めての氾濫や決壊、低い土地の浸水のリスクもかなり高まりますので、猛烈な風を含めて、最大級の警戒が必要になります。