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HSPとトラウマの関係は?辛い過去やトラウマを乗り越えたい人へ5つの対処法を紹介!

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医のしょうです!

私は普段、精神科での外来に加え、インスタにてHSP気質に関する発信を行なっています。

インスタにも遊びにきてね♪(外部リンク)

みなさんは、ふとした時に辛かった出来事を思い出して苦痛を感じることはありませんか?

嫌な体験や精神的なショックを受けて、それが心の傷となることをトラウマといいます。

トラウマは時間の経過と共に薄れていくものですが、なかなか忘れられずに長い間苦しんでいる人も中にはいるでしょう。

こうしたトラウマを放置していると、社会生活や日常生活に支障が出て生きにくさを感じる原因にもなってしまいます。

今回の記事では、トラウマの原因と乗り越えるための対処法を紹介していきます。

トラウマはHSPとの関わりがとても深いので、繊細さんもぜひ目を通してくださいね。

HSPについて知りたい方はこちら(外部リンク)

トラウマってなに?

精神的なショックや恐怖を受けたことが原因で生じる心の傷を、トラウマといいます。

トラウマによって引き起こされる症状は、フラッシュバックのほか、不眠や食欲不振、頭痛、腹痛、吐き気など多岐に渡ります。

上記のような身体的な不調のほかにも、気持ちが落ち込み自分らしく振る舞うことができなくなったり、人間関係を避けて引きこもってしまうなど通常の生活が上手くいかなくなることもあります。

また、無力感や虚無感、罪悪感など心理的な面でも問題が生じる可能性があります。

トラウマとPTSDの関係とは

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、命の危険や重傷を負うような体験をした後に、トラウマとなってふとした瞬間に何度も思い出して、当時と同じような恐怖や苦痛を感じる病気です。

トラウマは一過性のもので症状が軽く済む人もいるのですが、精神的な後遺症が残り、PTSDが発症してしまう人もいます。

PTSDには主要症状(再体験症状、回避・麻痺症状、過覚醒症状など)の他にも様々な症状を伴います。

症状が4週間以上続き、日常生活に支障をきたしている場合は病院で診てもらいましょう。

トラウマとHSPの関係とは

生まれつき感受性の高いHSPさんは、トラウマを抱えた人もいますよね。

子供の頃から繊細な気質を持っていた場合、「先生に注意された」「親の教育が厳しかった」「学校生活に馴染めなかった」などを抱えたまま大人になってしまいます。

中にはトラウマとなってしまう出来事だってあるんです。

そのまま成長すると、人の顔色が常に気になるようになってしまったり本音が言えずに溜め込んでしまうなど、生きづらさを感じてしまうようになります。

トラウマはHSPさんにとって、繋がりが深いものだといえますね。

トラウマを抱える状況や原因は?

トラウマになる原因は、身体的なものから心理的なものまでさまざまです。

ここではトラウマの原因やきっかけとして、一般的によく知られているものをご紹介します。

  • 自然災害の被害
  • 虐待やDV
  • 犯罪の被害
  • 性的被害
  • 社会的な不安
  • いじめ
  • 大切な人を失う喪失体験

こうした体験をすることで、睡眠障害や集中力の低下などを引き起こします。

人によっては、トラウマからPTSDやうつ病、社会に適合できないなど深刻な状態に陥ることも少なくありません。

トラウマを乗り越える方法

体験を人に話してみる

辛い体験やネガティブな過去を人に話すことで自分の感情がオープンになり、心の安定に繋がる効果が期待できます。

体験を人に語るほかに、ブログやSNSで発信することで「トラウマが過去のもの」として処理できるようになるのです。

発信を続けていくと似たような経験をした人々と出会う可能性があります。

トラウマとなった出来事や現状を共有し合うことで、回復の手掛かりを得ることができ、孤立から抜け出すきっかけにもなります。

思い出して気持ちを整理する

トラウマ体験を思い出さないようにするのは、強い心的外傷を負っている人にはとても難しいことです。

忘れられないことで自分を責めてしまうこともあるでしょう。

トラウマとなった出来事をあえて思い出し、気持ちを整理して恐怖を乗り越えるという方法もあります。

「思い出しても今の自分には危険がないんだ」ということを再確認するためにも良い方法なのですが、自己判断で実践するよりも医師や専門家の適切な指示のもと行なった方がより安全です。

人との関わりを積極的に持つようにする

孤独な環境に身を置くことはなるべく避けましょう。

トラウマの克服やうつ病に対しても言えるのですが、「誰かと繋がっている状態」は自己回復力が発揮される最適な環境といえます。

心の健康を保つためにも、人や社会と積極的に関わり、孤独を減らすことが大切なのです。

家族や友人、社会からのサポートが必要になるときもあるでしょう。

マインドフルネス瞑想を取り入れる

トラウマにはマインドフルネス瞑想が効果的です。

マインドフルネス瞑想は継続的に行うと、過去よりも現在に集中しやすくなると言われています。

やり方はとても簡単です。

1. 床にあぐらをかいて座り、良い姿勢を作る

2. 自分の呼吸に集中する

3. 感情が浮かんできても、すぐに呼吸に集中する

瞑想中はさまざまな考えや感情が浮かんでくると思いますが、すぐに呼吸に集中し直すことで、「今」に戻ってくる練習になります。

集中力の向上やストレスの軽減にも繋がります。

抱え込まないで専門家の手を借りる

トラウマを克服するには、自分で乗り越えなければいけないハードルが沢山あります。

一つ一つ向き合って解決していこうとすると、トラウマが蘇って心に新しい傷を負ってしまう可能性があります。

「自分一人で抱え込む必要はない」ということを心に留めておきましょう。

近しい人や専門家、カウンセリングの力を借りることで、見えてくるものもあるはずです。

自分の判断で行動するよりも適切なサポートを受けられるので、積極的に活用してみましょう。

どうすればいいのか分からなくなってしまった時は、頼れる人に相談してみてくださいね。

まとめ

焦って無理にトラウマを克服しようとするのは禁物です。

心の準備ができていない状態だと、トラウマを助長させてしまう恐れがあります。

孤独にならないように他人と関わりながら、自分のペースで少しずつ回復に取り組むことが大切です。

そしてなによりも、現在の生活を安定させることが一番大切だということを忘れないでくださいね。

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あなたの気持ちが楽になりますように♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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