米検察が元CIA分析官を起訴「韓国政府のために工作活動」米韓関係に波紋 #専門家のまとめ
韓国系米国人で北朝鮮専門家として知られる米中央情報局(CIA)元分析官のスー・ミ・テリー氏(54)が、韓国政府のエージェント(工作員)として未登録で米国内で活動したとして米検察に起訴された。テリー氏はCIAを退職後にホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)でも務めた経歴を持つ。米政権中枢で要職を務めてきた大物外交専門家の起訴だけに米韓関係に及ぼす影響に注目が集まっている。
ココがポイント
▼テリー氏は10年以上の間、米政府の非公開情報を伝えたり、韓国政府職員が米政府職員に接近できるようにしたりした容疑がある
・韓国国家情報院の不適切な活動、米国で公開されて波紋(1)(中央日報日本語版)
▼テリー氏は見返りとして韓国国家情報院からルイ・ヴィトンのバッグなどブランド品のほか、3万7000ドル以上を受け取った疑い
・元CIA分析官、韓国「代理人」の活動で起訴 見返りにブランド品など(CNN.co.jp)
▼米国では外国政府のロビイストや代理人として活動するためには登録が法律で義務付けられているが、テリー氏はこれに違反した疑い
・元CIAの北朝鮮専門家起訴 韓国政府「代理人」で活動か 米(時事通信)
▼テリー氏は脱北者の過酷な現実に迫ったドキュメンタリー映画「ビヨンド・ユートピア脱北」の共同プロデューサーも務めた
・蜜月関係なのになぜ? 米当局が韓国系元CIA分析官を起訴(聯合ニュース)
エキスパートの補足・見解
テリー氏はソウルで生まれ、米バージニア州とハワイ州で育った米国籍取得者。北朝鮮ウォッチャーとして国際的に有名な専門家で、CNNなどメディアにも頻繁に出演してきた。2001年から2011年まで、CIAの東アジア分析官、ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の韓国・日本・オセアニア担当ディレクター、さらには国家情報会議の東アジア担当国家情報副官といったさまざまな要職を務めてきた。その後もアメリカの著名シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)上席研究員やウィルソンセンターのアジアプログラム局長などを歴任。現在は米外交問題評議会のシニアフェローを務めている。夫はワシントンポスト紙のコラムニスト、マックス・ブート氏だ。テリー氏という著名外交専門家が韓国政府の現地工作員として米国内で活動していたとする起訴内容に衝撃が広がっている。