昭和レトロが魅力!ひとり旅で訪ねたい「ひなびた温泉地」5選
ひとりでの温泉旅(=ソロ温泉)に適した温泉地と、そうでない温泉地がある。もちろん、旅の目的や個人の好みにもよるが、忙しない日常から離れて一人で静かな時間を過ごすのであれば、観光客が多い有名温泉地よりも、歴史はあるけれど、ひなびている温泉地のほうがふさわしい。
ひなびた街並みは一見「寂れている」という印象を受けることもあるが、見方を変えれば「レトロで落ち着く」と魅力的に映る面もある。
そこで、今回はひとり旅で訪ねたい「レトロでひなびた温泉地」を5カ所紹介したい。
台温泉(岩手県)
花巻温泉郷の一角を占める台温泉は、山の谷間に10軒ほどの旅館と日帰り温泉が並ぶ静かな温泉地。台温泉の源泉を引く近くの花巻温泉は超巨大温泉ホテルが鎮座するが、台温泉は対照的に湯治場風情の落ち着いた温泉地である。小規模の温泉が並ぶが、なかでも中嶋旅館は宮大工の手による築100年の木造建築が目を引く。基本的にどの宿も硫黄分を含んだ源泉が掛け流しである。
肘折温泉(山形県)
山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつ。湯治文化が残る温泉地なので一人客に対応してくれる宿も多いのは心強い。「プチ湯治」と称して、連泊するのもおすすめ。もちろん、基本的に源泉掛け流しばかり。
沢渡温泉(群馬県)
強酸性の草津温泉と比べて、マイルドな泉質のため「草津の仕上げ湯」と呼ばれる。坂道に小さな旅館が並ぶ沢渡温泉は、観光客でにぎわう草津に比べて地味に映るが、その分、ゆっくりと一人静かな時間を過ごしたい人には向いている。鮮度抜群の「沢渡温泉共同浴場」のほか、浴室が芸術的な美しさを誇る「まるほん旅館」など温泉好きに愛される温泉地。もともと湯治向けの温泉地なので、一人客の利用も多い。
俵山温泉(山口県)
長門市にある素朴な温泉地。同じ市内にある長門湯本温泉は近年再開発が進んで注目されているが、俵山温泉は昔ながらの湯治場風情が今も色濃く残る。もともと湯治文化が根づいており、各宿に滞在する宿泊客は街の中心にある共同浴場に通うのが俵山のスタイル。浴衣に着替えて宿から外湯まで小道を歩くのも風情がある。ひとり旅が似合う温泉地だ。
日奈久温泉(熊本県)
昭和レトロな雰囲気が魅力の温泉街には、15軒ほどの旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。入浴のおすすめは、旅館幸ヶ丘。現在は日帰り入浴のみだが、硫黄が香る源泉が大量に投入されており、気持ちいい。