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来夏の殿堂入りは少なくとも3人に。ドラフト全体1位の選出は3人目。ピネラ元監督は1票足りず

宇根夏樹ベースボール・ライター
カル・リプケンJr.(中央)の後ろがハロルド・ベインズ SEP20, 1998(写真:ロイター/アフロ)

 リー・スミスハロルド・ベインズの殿堂入りが決まった。これは記者投票ではなく、4つの時代に分かれた委員会の一つ、「トゥディズ・ゲーム(1988年~)」による選出だ。ホール・オブ・フェイマーになるには、こちらも得票率75%以上を必要とする。スミスは16人全員から票を投じられ、ベインズはちょうど75.0%となる12票を得た。

 トレバー・ホフマン(601セーブ)とマリアーノ・リベラ(652セーブ)に抜かれるまで、スミスの478セーブは誰よりも多かった。タイトルは4度を数える。一方、1977年のドラフトで全体1位指名を受けたベインズは、どれも区切りのマイルストーンには少し足りないものの、2830試合に出場し、2866安打、384本塁打、488二塁打、49三塁打、921長打を記録した。タイトルはなし。ドラフト全体1位の殿堂入りは、ケン・グリフィーJr.(1987年)とチッパー・ジョーンズ(1990年)に続く3人目だ。

 これにより、来年7月21日にクーパースタウンで行われるセレモニーでは、記者投票による選出が確実なリベラ――ホフマンはすでに殿堂入りしている――を含め、少なくとも3人が新たなホール・オブ・フェイマーとして称えられる。記者投票の結果は、来年1月22日に発表される。

 今回、惜しかったのは、ルー・ピネラだ。11票を集め、あと1人が票を入れていれば、殿堂入りだった。ピネラは1747試合に出場し、1705安打、102本塁打、305二塁打、41三塁打。監督としては歴代16位の1835勝を挙げ、13位タイのポストシーズン進出7度。選手と監督のいずれでも、ワールドシリーズ優勝を経験した。

 その他の7人、アルバート・ベルジョー・カーターウィル・クラークオレル・ハーシュハイザーデービー・ジョンソンチャーリー・マニエルジョージ・スタインブレナーは、5票未満に終わった。

 なお、記者投票は毎年行われるが、「トゥディズ・ゲーム」の次回選考は2021年だ(選ばれれば、2022年の殿堂入り)。来年は、1970~87年を対象とした「モダン・ベースボール」の委員会が選考を行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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