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ロシア軍120発のミサイル発射:ウクライナ軍、ミサイル54発・イラン製軍事ドローン11機を迎撃

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。2022年12月29日には首都キーウ、オデーサなど複数の都市にロシア軍による120発以上のミサイル、攻撃ドローンによる攻撃が行われた。キーウでは民家も犠牲になり3人が負傷したと市長が発表していた。

ウクライナ軍では54発のミサイルと、11機のイラン製軍事ドローン「シャハド136」と「シャハド131」を迎撃して破壊したと公式SNSで報告していた。キーウに向けて発射した16発は全て迎撃した。

▼2022年12月29日のウクライナへのロシア軍による120発のミサイルやドローンによる攻撃

ドローン迎撃と破壊に貢献している「移動式ドローン迎撃車」

2022年10月からロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んで行き爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウを攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物に攻撃を行っている。11月に入ってからはイラン製軍事ドローンでの攻撃が激減したことから、英国国防省はイラン製軍事ドローンの在庫が枯渇したのではないかとの見解を示していた。

だが12月に入ってからはロシア軍はイラン製軍事ドローンで電力施設にも攻撃を行いオデーサ近郊の150万人以上の市民生活に打撃を与えている。2022年12月14日にはロシア軍は首都キーウにイラン製軍事ドローン「シャハド136」と「シャハド131」13機が攻撃をしかけようとしてきた。それら13機のイラン製軍事ドローンはウクライナ領土防衛隊の移動式迎撃部隊によって、全て破壊。12月18日の夜には、ロシア軍がイラン製軍事ドローン「シャハド136」と「シャハド131」でウクライナの民間施設に攻撃。ウクライナ軍、ウクライナ領土防衛隊が35機のうち30機を破壊。そして12月29日には11機の「シャハド136」と「シャハド131」を破壊した。

イラン製の軍事ドローンを迎撃に貢献しているのがウクライナ軍の「移動式ドローン迎撃車」である。ロシア軍のドローン攻撃に対抗するために「スティンガー」のような地対空ミサイル、近距離防空ミサイル「スターストリーク」、ライフル銃、手作りのドローン迎撃銃などをトラックやバンなどに搭載した「移動式ドローン迎撃車」でドローンやミサイルが襲撃してくるサイレン(警報)が鳴るとあらゆる所に車を飛ばして移動して迎撃を行っている。

12月29日にもウクライナ領土防衛隊の「移動式ドローン迎撃部隊」を公式SNSで紹介。「私たちはやる気があり武装しています。私たちの国土では吹いている風もウクライナ勝利に向けて味方をしてくれています」とコメントしていた。

▼ウクライナ領土防衛隊の公式SNSで「移動式ドローン迎撃部隊」を紹介

「私たちの国土では吹いている風もウクライナ勝利に向けて味方をしてくれています」

▼ウクライナ軍公式SNSでの報告

▼ロシア軍のミサイルを迎撃を伝えるウクライナ空軍

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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