「ゆりかもめ」25年支えたパソコン「PC-9801NS/R」引退、NECが引き取り申し出
東京のベイエリアを走るモノレール「ゆりかもめ」(東京臨海新交通臨海線)。1995年の開業当初から25年間現役で使われていた、設備メンテナンス用のノートパソコン「PC-9801 NS/R」が引退すると、ゆりかもめのTwitterが7月2日、写真付きで公表し、「とてもきれいで、大切に使われていたのが分かる」「いまの車両より長持ちだ」などと反響を集めています。
また、このパソコンを製造・販売していたNECグループの公式Twitteも投稿に反応。NECのアカウントは、「四半世紀という長きにわたるご利用、誠にありがとうございます」などと感謝を述べています。
さらに、NECのパソコン事業会社・NECパーソナルコンピュータの公式アカウントは、「もし廃棄されるご予定でしたら、私どもの工場に展示させていただきたいのですが、行き先は決まっていらっしゃいますでしょうか」とリプライしており、パソコンの行く先に注目が集まっています。
「PC-9801 NS/R」は1993年に初代機が発売されたノートパソコンです。CPUに米Intelと協同開発した、低電圧駆動の「i486SX(J)」(20MHz)を採用しており、メモリは最大14.6MB。「ハイコストパフォーマンスを実現したスタンダードモデル」とのふれこみでした。
グレーの筐体・モノクロ液晶で、重さは2.5キロほど。ゆりかもめによると、「持ち運びには苦労しましたが、安全・安定運行を陰から支える、頼れる一台」だったとこのことです。
NECパーソナルコンピュータのTwitter公式アカウントは、「PC-9801 NS/R」引退を知らせたゆりかもめのツイートに対して「25年もの長きに渡り、ウチの子がお世話になりました 弊社の工場でそれを設計したチーム(親たち!?)も、このお話を大変喜んでおります」。と反応。
さらに、「この<PC-9801>をもし廃棄されるご予定でしたら、私どもの工場に展示させていただきたいのですが、行き先は決まっていらっしゃいますでしょうか?」とも。4日午前10時半時点でゆりかもめからの返信はありませんが、フォロワーからは、この機体がNECの工場に展示されることを期待する声も出ています。
また、ゆりかもめのツイートの写真には、PC-9801 NS/Rの下に、1993年発売のデスクトップパソコン「FC-9801B」の姿もあります。このパソコンの用途や、引退するかどうかなどについては、言及していません。
NECのパソコンは、1979年の初代機「PC-8001」発売から、今年でなんと40周年。NECパーソナルコンピュータの公式サイトでも、トップページで「40th Anniversary」を祝っています。また、1982年発表の「PC-9801」シリーズは、国立科学博物館の「未来技術遺産」(重要科学技術史資料)に選ばれています。