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NY金18日:FOMC議事録で12月利上げを確認も、横ばい

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比0.10ドル高

始値 1,070.20ドル

高値 1,074.60ドル

安値 1,062.00ドル

終値 1,068.70ドル

引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(10月27~28日開催分)の公表を控える中、ポジション調整の小動きに終始した。前日安値1,064.40ドルを下回り2営業日連続で年初来安値を更新したが、大きな値動きには発展していない。FOMC議事録発表後も特に目立った動きはなく1,070ドル前後での取引になっている。

本日はドル相場が目立った動きを見せなかったこともあり、終日ポジション調整中心の展開に。前日の年初来安値更新にもかかわらずアジアタイムは更に安値を更新し、なお現物需要主導での安値是正は難しいことが確認されている。ただ、その後はドルがやや軟化したこともあって下値を攻めきれず、概ね前日終値と同水準で引けている。

FOMC議事録では、「大半の当局者は12月までに利上げの条件が整うと判断」したことが示されており、声明で次回会合での利上げ精査方針を盛り込んだことについて、「12月利上げは適切との意思伝達を望んだ」ことが明らかにされている。2人のメンバーがこうした方針に異議を唱えたが、大半の当局者は「海外からのリスクが弱まったと判断」しており、「段階的な緩和解除で合意した」と記されている。

12月利上げ着手が規定路線になっていることが再確認でき、何か突発的な「予期せぬショック」が発生しなければ、年内利上げは確実な状況にあることが再確認できる。その意味ではややタカ派の内容と評価できるが、その後の利上げ軌道については議論が進んでおらず、「段階的な緩和解除」については「正常化プロセスを早期に開始すれば、その後の政策軌道は緩やかになる可能性が高い」との一般論が示されるに留まっている。

2016年の利上げ軌道については12月FOMCでの協議を待つ必要があり、全体的なトーンとしては金価格に対してネガティブながらも、サプライズ感をもたらす程の内容でもなかった。実際に、議事録発表後のドルや米長期金利は大きな動きを見せておらず、金価格に対してはネガティブ材料ながらも、下落ペースを加速させる程の内容ではなくなっている。

値下がり傾向が続く中でアジア現物筋の動向が注目されるが、なお需給要因から安値是正を促すような動きは鈍い。上海現物市場の出来高も抑制されている。引き続き米金融政策の正常化プロセスを織り込む動きが優勢になり易く、1,050ドル、1,000ドルと節目となる価格水準を打診する展開が維持されよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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