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ウルトラマン抜擢を引き寄せた「祭nine.」寺坂頼我の強い思い

島田薫フリーアナウンサー/リポーター
“初めての変身ポーズ”を振り返る寺坂さん(撮影:すべて島田薫)

 東海エリアを拠点とするボーイズグループ「BOYS AND MEN」の弟分「祭nine.」のリーダーとして活躍する寺坂頼我(てらさか・らいが)さん。アクロバットパフォーマンスに定評のある21歳の“カッコかわいい男子”です。主演を務める「ウルトラマントリガー」が今月10日にスタートするのを前に、憧れのヒーローを演じる心構えやそれに伴う自身の変化について聞きました。

-「ウルトラマン」誕生55周年の節目に新ヒーローに選ばれた心境はいかがですか?

 心の底からうれしかったです!僕がこの世界に入ったきっかけが“ヒーローになること”だったので、夢がかなってうれしい気持ちでいっぱいでした。しかも今回は記念作品。その記念に生まれるヒーローになれることが本当に光栄です。

 (主演の決定は)所属事務所の社長から電話で知らされました。事務所に行ったらマネジャーが珍しく真顔なので何だろうと思ったら、社長から電話で「ウルトラマン、おめでとう!」というサプライズ発表されて。本当にうれしすぎて、語彙力を失いました。「え、え、え、ありがとうございます!」と泣きながら切ったら、マネジャーも涙しながら喜んでくれていました。

 小さい頃から(特撮の)正義のヒーローになりたいと思っていたのですが、小学校4年生くらいで、それは役者の世界に入ってなるものだと知りました。それからお芝居をしたいと勉強を始めて、ずっとヒーローを目指していたんです。「ウルトラマン」シリーズだと、「ウルトラマンメビウス」をよく見ていましたね。

-祭nine.のメンバーの反応はどうでしたか?

 メンバー1人ずつに直接会って報告しましたが、皆すごく喜んでくれました。東京で長期間集中して撮影するため一旦地元を離れることになりましたが、「安心して変身して、地球を守ってきてね」と言ってもらいました。

 ちなみに、東京での暮らしですが、コロナ禍なので東京らしい所は全然行けていません。出かけたのは、無印良品で生活に必要な買い物をしたぐらい。電車が分かりにくくて大変です。特に地下鉄!きょうもこの取材現場に来るのに迷っちゃって大変でした(笑)。この前、多摩川の土手でアクロバットの練習をしたんですが、地元の岐阜の長良川を思い出して、少し懐かしい気持ちになりました。

-どういう経緯で主演に決まったのでしょうか?

 オーディションです。動画審査と面接があって、動画はお芝居と特技と意気込みを送りました。特技は、アクロバットなので、祭nine.というグループ活動で培ってきたアクロバットを披露させていただきました。その後に面接です。選ばれたのは1人ですから、身が引き締まります。

-主人公のキャラクターは「人当たりのいい優しく真面目な性格」「人々の笑顔を守るために戦う、熱い正義の心を持ち合わせている」だとか。寺坂さんの印象そのままですね。

 “役とは出合い”とはこのことで、ファンの方にも「頼我クンそのままだね」と言われています。オーディションの時からスタッフさんにも「これ…僕っぽいですけど、このままいってもダメですよね」と話していたくらいで、まさにドンピシャの役どころでびっくりでした。

-憧れのヒーローものですが、他の作品との違いはありますか?

 他と全く違うのは、よりヒーローとして見られるようになったことです。もちろん、祭nine.として、愛知県警察広報大使をしたり、キラキラしたアイドル像を守り抜くことで悪いことをしないように心がけていたのですが、そこに、子供達が人としてお手本にできるような存在になるというか、ウルトラマンには怪獣を倒すだけではない素敵なメッセージもあるので、説得力が出るよう、僕自身、気をつけないといけない気持ちが強まりました。

 気をつけていることですか? 1つは、嫌いなものを食べるようにすること(笑)。トマトを内心うなりながら、平気な顔をして食べたりとか。あとは、ヒーローが疲れた感じで街を歩いていても嫌なので、そういうことはしない。信号無視は絶対にしない。何かしてもらった時にちゃんとお礼を言う。「いただきます」「ごちそうさま」を言う。些細で基本的なことかもしれませんが、少しずつできることを広げています。

-すでに撮影中とのことですが、初めて変身ポーズをした時の気持ちは?

 変身アイテムを使うのがぎこちなくて、すごく緊張しました。スタッフさんから「歴代のウルトラマンの方々は手が震えるくらい緊張してやってたよ」とプレッシャーをかけられていましたが、気合の変身をすることができました。

-坂本浩一監督はアクションで有名ですが、得意のアクロバットは活かされそうですか?

 すでに活かされています。僕の演じる「マナカケンゴ」という役は徐々に成長していくので、初めから武術の達人であるとか、アクションができるわけではないのですが、受けのお芝居で吹っ飛んだり、僕がこれまでの活動で学んできたことを取り入れていただいたりしています。

 坂本監督はめちゃめちゃパワフルでエネルギッシュで、現場でも自らアクション指導をしてくださるんです。すごいキレで、アクションに愛がある方なので、教わることがうれしいです。期待していてほしいです。

-ウルトラマンといえば3分タイマー。ウルトラマンは地球を救いますが、寺坂さんは3分あったら何がしたいですか?

 難しい(笑)。3分あったら…筋トレします。もともとアクロバットや運動はしまくっていますが、コロナで“おうち時間”が増えた時、YouTubeの3分でできる腹筋動画や腕立て動画を見て筋トレしていた時期があったんです。3分あったらそれをやりたいかな。

-祭nine.になる前の研究生だった頃のブログに毎回「シュワッチ」と書かれていて、「ウイルスに気をつけてマスクをしましょう」というような内容まであり、“未来”を見ているようで驚きました。

 本当にたまたまです。特撮が好きだったので「シュワッチ」と勝手に書かせてもらっていただけで、こんな未来につながるとは思ってもいなかったです。

 でも今思えば、去年の10月、まだオーディションの話も来る前に出演した番組で、翌年の目標として「地球を守る」と書いたんです。しかも「笑顔を守れるヒーローになりたい」と言っていたら、今回の「ウルトラマントリガー」のテーマが「笑顔」なんですよ。皆の笑顔を守るという志がある役なので、ちょっと鳥肌が立ちました。

-次の“予言”は何でしょう!?

 祭nine.としては、名古屋の1万人規模のガイシホールに立つという志を掲げています。そして、僕がヒーローをやることによって、あきらめなければ夢はかなうということも、子供達に伝えられればと思うので、最後までやりきって夢をつないでいくことができたらいいなと思います。

■ 「ウルトラマントリガー」

「ウルトラマン」誕生55周年、「ウルトラマンティガ」誕生25周年で企画された「令和版ウルトラマンティガ」といえる物語。3000万年前、闇の力との戦いの末、悠久の眠りについていた光の巨人と光を継ぐ主人公・マナカケンゴが一体化し、地球の未来のために再び怪獣災害、闇の力に立ち向かう。テレビ東京系で7月10日放送開始(毎週土曜午前9時)。

【インタビュー後記】

お会いして思ったのは、細かいところまで自然と気が配れる方だということです。活動が長く、ファンも多いと、皆が知っている前提で話をするのはよくあることですが、寺坂さんは「祭nine.」を「祭nine.というグループ」、変身に使う「GUTSスパークレンス」を「変身アイテム」、共演者の話も名前だけでなく、役名と年齢まで丁寧に説明してくれました。「ウルトラマン」や自分のことを知らない人でも分かるようにと話す姿には無理がなく、優しさと思慮深さが感じられました。

■ 寺坂頼我(てらさか・らいが)

1999年12月26日生まれ。岐阜県出身。東海エリアを拠点に活動する人気グループ「BOYS AND MEN」の研究生としてデビュー。2017年、「BOYS AND MEN」の弟分でエンターテイメント集団「祭nine.」のリーダーとしてメジャーデビュー。アクロバットパフォーマンスに定評があり、アグレッシブなヴォーカル&ダンスを活かしたライブや舞台はもちろん、映画、ドラマ、バラエティーでも活躍。近年は日本テレビ系「スッキリ」2020年11月度エンディングテーマ、東海テレビ「オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』」の主題歌などを担当。

フリーアナウンサー/リポーター

東京都出身。渋谷でエンタメに囲まれて育つ。大学卒業後、舞台芸術学院でミュージカルを学び、ジャズバレエ団、声優事務所の研究生などを経て情報番組のリポーターを始める。事件から芸能まで、走り続けて四半世紀以上。国内だけでなく、NYのブロードウェイや北朝鮮の芸能学校まで幅広く取材。TBS「モーニングEye」、テレビ朝日「スーパーモーニング」「ワイド!スクランブル」で専属リポーターを務めた後、現在はABC「newsおかえり」、中京テレビ「キャッチ!」などの番組で芸能情報を伝えている。

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