新たな台風は列島目指して真っすぐ北上か、その動向を左右する太平洋高気圧や海水温の状況は?
台風”10号”は真っすぐ北上へ
日本のはるか南にある熱帯低気圧が今後24時間以内に台風へ発達する見込みで、発生すれば台風10号となります。発生が予想される台風10号は、やや西寄りの成分を持ちつつも、週末にかけてほぼ真っすぐに北上し、週明け26日(月)午後3時には北緯30度を越え、東海地方の南海上に到達する予想です。
この時点での勢力は、中心気圧980hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速45メートルとなっていて、比較的コンパクトながらも、暴風域を持つ台風に発達している予想です。また予報円の真ん中を進むと、東海から近畿へ北上する可能性が高いものの、東側を北上すれば関東へ到達する可能性もあるし、西側を北上すれば四国や九州に到達する可能性もある進路予想となっています。
また速度のぶれもあり、最も早く北上すれば、26日(月)午後3時には、もう台風の中心が陸地に乗っている可能性もあるし、最も遅く北上すれば、同時刻でもまだ小笠原諸島の西海上にあるということも想定内です。ただいずれにしても、週明けに関東から九州に接近して、直撃する可能性としては、おむね70%程度は見込まれる進路予想となっています。
太平洋高気圧の盛衰が北上地点の鍵を握る
新たに発生が予想される台風が九州から関東のどこへ向かうかは、太平洋高気圧の動向に左右されるところが大きく、まさに太平洋高気圧の盛衰が鍵を握っている状態です。
上図はその太平洋高気圧の予想ですが、あさって23日(金)夜までは、台風の周囲を太平洋高気圧が取り囲んでいるため、台風はほとんど動きがない予想です。もしこの状態が続くのならば、台風が北上してくるようなことはないでしょう。
ところがその後、週末にかけて、日本の南海上で高気圧が弱まるため、台風はこの隙をついて北上をはじめ、列島に接近してくる予想です。25日(日)夜の台風の東側の太平洋高気圧が強まれば強まるほど西側にぶれながら北上する一方、太平洋高気圧が弱まれば弱まるほど東側にぶれながら北上することになりそうです。
海水温の状況は?
新たに発生が予想される台風が予報円の真ん中を進むと、上図の黄色い矢印付近を北上することになります。注目は小笠原諸島付近では、先週、非常に強い台風7号が北上し、海水をかき混ぜたために、平年より低く、27度前後まで低下しています。一方、日本の南は平年より高く、30度以上となっています。
ですから、北上が予想される台風は、小笠原諸島に近づくように北上するほど、あまり勢力が強まらずに、小笠原諸島から離れて、日本の南海上を北上するほど、発達の度合いが大きくなる可能性があります。実際に諸外国を含む種々の計算では、西側を通るモデルほど強まる傾向があり、気象庁の台風予報円よりもかなり強い勢力で北上する計算も多くあるのが気がかりです。